エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1162
2022.06.30 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部/撮影:pepe
ここからは「MPG ARTYMIS 273CQRX-QD」を実際に動作させながらパフォーマンスをチェックしていく。検証用PCとして用意したのは、以前詳細検証をお届けしたMSIのゲーミングデスクトップPC「Aegis Ti5 10TE-018JP」。基本構成はIntel Z490マザーボードに、10コア20スレッドのIntel Core i9-10900K、GeForce RTX 3080、メインメモリは64GB(32GB×2)を搭載する。WQHD(2,560×1,440ドット)解像度で240Hzのリフレッシュレートをテストするには十分なスペックだ。
エルミタの液晶レビューで活躍中の「Aegis Ti5 10TE-018JP」。グラフィックスカードにはゲームからクリエイティブな作業まで余裕でこなすGeForce RTX 3080を搭載する |
まずは映り具合を確認していこう。液晶パネルは27型のWQHD(2,560×1,440ドット)解像度に対応。VA方式のパネルでありながら視野角は水平垂直ともに178°と広いが、湾曲デザインという特性上、どうしても左右端では角度に対する変化が大きくやや輝度とコントラストの低下が見られる。
撮影しているカメラのレンズによる圧縮効果で1,000Rの曲率はやや控えめに見えるが、実際にはかなり湾曲している。パネルに対して正対し、中心に頭が入っていないとフレーム端で見え方に差が出ることもある。とはいえ、正確なポジションを取ることで量子ドット技術による細部まで表現する正確な色彩と包み込まれるような湾曲が、ゲーム用途においては圧倒的な没入感を演出してくれるだろう。
なお、リフレッシュレートを最大の240Hzに設定し動作時の消費電力をワットチェッカーで計測したところ、PC起動後10分間放置したアイドル時は36W、ゲームプレイ時は38Wと公称値より若干高め。同条件でOSDから輝度をデフォルトの70から100に変更すると40Wまで上昇した。
リフレッシュレートの違いを体感するために、レースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイを使用してテストする。リフレッシュレート60Hz/120Hz/165Hz/240Hzでそれぞれの違いを比較。テストではディスプレイ同期を有効化するとともに、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影している。
さすがに240Hzのリフレッシュレートは明らかに滑らか。これを見れば、ゲームでより高速なリフレッシュレートが求められる理由は明確だろう。60Hzではフレームが更新される様子がはっきりと分かるが、リフレッシュレートが高くなるにつれてその更新間隔は短くなり、240Hz環境では驚異的な早さでフレームが更新されている。瞬きの回数が減るような画面を注視するゲームでは、低遅延かつ滑らかな描画で目への負担も軽減されるだろう。さらに(筆者もそうだが)画面が滑らかになることで、FPSで起きやすい“3D酔い”もある程度防いでくれる効果があると感じた。
続いて、実際のゲームで有効な機能として使える補正機能のひとつ「ナイトビジョン」の効果を「エルデンリング」を使って見ていこう。機能は「オフ」と自動で効果を調整してくれる「A.I.」のほか、効果のレベルに応じて「通常」から「最も強い」の5段階が設定できる。右手を伸ばすとすぐに届く位置にある背面のNaviキーから簡単に変更可能なので、プレイするゲームやコンテンツによってこまめに変更する事もできる。
実際に動作させた様子が以下の動画だ。「エルデンリング」のようなダークファンタジー系タイトルでは特に威力を発揮する様子が分かる。ダッシュで移動していると、つい見落とてしまうアイテムや陰に潜んでいる敵などもはっきり認識できるようになった。「フォートナイト」や「Apex Legend」などバトロワ系でも、屋内戦闘など暗めのシーンでは有効。「バイオハザード」シリーズに代表されるホラー系のゲームでも活躍してくれるだろう。
最後のテストでは、2台のPC間でUSBデバイスを共有できる「KVMスイッチ」機能を紹介する。キーボード・マウスのほか外付けストレージなどが利用できる。実際の使い方は、動画をチェックしてもらうと分り易いが、主な用途としては帰宅後すぐにノートPCをディスプレイを接続して使うといったシーンが想定される。配線を変更することなく使い慣れたキーボードやマウスを共有できるのは非常に便利だ。