エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1164
2022.07.04 更新
文:撮影・藤田 忠
最後はストレステスト実行中の騒音値をチェックしよう。騒音値は暗騒音32.3dBAの環境での計測。3基のラジエターファンの中央に位置するファンから30cm離れた位置で行っている。
冷却性能と静音性のバランスが良い空冷CPUクーラーが目立つDeepcool。「LS」シリーズに付属する「FC120」は、オールインワン型水冷ユニット向けに、最大回転数がアップされているが、その静音性は十分優秀と言える。とは言え、「CINEBENCH R23」実行時は、当然ファン回転数は最大の2,250rpm台で動作し、騒音値はうるさいと感じる47.8dBAに達している。
組み合わせるPCケース次第ではあるが、回転数1,700~1,800rpm前後に留まる「OCCT:CPU」実行時は40dBA台前半なので、「LS720」でしっかりと冷やしながら、静音志向のPCを組むことは十分できるだろう。
「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」実行時は厳しい結果となった「LS720」だが、CPUがフルロードされるアプリケーションをメインに使うのでなければ、その冷却性能は十分だろう。そして「CPU Package Power」170W前後での発熱量なら、バラック状態で40dBA前後の騒音値だった点もポイント。組み合わせるCPUの選択や、ファン回転数の手動カスタマイズとハードルは高くなるが、しっかりと冷却しながら静かなPCを組む際の選択肢にも入るだろう。
Deepcool「LS720」は、Core i9-12900Kの最大性能を引き出すには、一歩足りないが、その点を除いても十分魅力的だ |
インフィニティーミラーの奇麗なLEDイルミネーションと、手間はかかるが自由にカスタマイズできるトップカバーも高ポイントなので、Deepcool「LS」シリーズは、魅せる要素を重視した人にもおすすめしたいオールインワン型水冷ユニットだ。
また、「CPU Package Power」が250Wに達した今回のテスト結果を見るに、最大電力の「PPT(Package Power Tracing)」が230Wに達するAMD次世代CPU「Ryzen 7000」の最上位SKUにも、「LS720」は十分対応できるだろう。
協力:株式会社アユート
Deepcool Industries