エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1165
2022.07.06 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
まずはストレステストの定番ソフトとして知られている「OCCT」の最新バージョン「OCCT 11.0.9」を動作させてみよう。プリセットはCPUとグラフィックスカードの両方に強力な負荷をかける「電源」を選択、テスト時間は30分に設定した。
なおCore i9-12900KとGeForce RTX 3090 Tiを搭載した検証環境は、フルロード時に最大945Wに達していた。実に95%に迫る負荷率で、ウルトラハイエンドマシンが文字通りフルパワーで動作していたことになる。
システムの主要パーツに用いられる+12Vの挙動を確認すると、主電源のATX12Vはフルロード時に11.96Vでピタリ安定しており、動揺は一切ない。CPU補助電源も時折11.97Vになるくらいで、ほぼ11.96Vで安定しているためグラフが完全に重なってしまっている。容量一杯に迫る強力な負荷がかかっている状態ながら、驚くほどの安定性だ。
PCI Express補助電源はその2つの数値をやや下回るものの、フルロード時は大きなブレなく11.90~11.91Vで動作していた。そもそもATX電源の規格上、+12Vは±5%の変動(+11.4~12.6V)が許容されていることを考えれば、どの数値も変動幅が少なく極めて安定している。
続いては、モニタリングソフトの「AIDA64 Extreme Edition」に搭載されているストレステストの「System Stability Test」を実行する。テスト項目のチェックボックスをすべて埋めて最大限の負荷がかかるよう設定、システムフルロード時の挙動を再現した。テスト時間は先ほど同様の30分間だ。
なおテスト中の消費電力は最大848W。「OCCT」実行時に近い、負荷率85%に迫る強力な負荷がかかっていた。
かなり狭い範囲まで絞ったグラフだというのに、このフラットさはさすが。ATXとCPU電源は一貫して11.97Vで推移しており、ご覧の通りグラフ波形はピッタリ重なっている。PCI Expressがやや下振れるのは同じだが、それも11.92Vから微動だにしない安定ぶり。フルパワーに迫る高負荷がかかっている状態とは思えない安定性だ。