エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1169
2022.07.14 更新
文:撮影・編集部 池西 樹
ASRock「DeskMeet X300」 市場想定売価税込30,690円(2022年6月24日発売) 製品情報(ASRock) |
電源ユニットとほぼ同等、容量1.92リットルサイズながら、デスクトップ向けCPUをベースにしたパワフルなPCを構築できることから、押しも押されもせぬ小型ベアボーンキットの定番になったASRock「DeskMini」シリーズ。ストレージの自由度も比較的高く、オフィスアプリケーションや動画の視聴など、通常の運用であれば正直不満を感じることはないだろう。
しかし、そのサイズゆえグラフィックス機能はどうしてもCPU内蔵GPUを使う必要があり、ゲーミングPCやクリエイターPCとして運用する場合にはグラフィックス性能がネックになってくる。そういった不満を解消するべく登場したのがASRockの新小型ベアボーンキット「DeskMeet」シリーズだ。
縦置き時でもペットボトルより高さが抑えられているにもかかわらず、グラフィックスカードを搭載することができる |
マザーボードはMini-STXからMini-ITXをベースにした独自規格へと変更され、「DeskMini」シリーズでは省略されていたPCI-Express(x16)スロットを実装。電源も120W ACアダプタから専用設計の500W ATX電源ユニットへと一気に大容量化が進み、カード長200mm、厚さ2スロットまでという制限はあるもののグラフィックスカードが搭載できるようになった。
高性能なデスクトップCPUに加え、最大128GBの大容量メモリとグラフィックスカードに対応したことで、ゲーミング用途はもちろん、クリエイター用途でも十分なパフォーマンスを発揮する |
ASRockの各製品ページには上記(一部抜粋)のような対応グラフィックスカードのリストが用意されているので、購入する際には参考にして欲しい |
さらにメモリスロットもノートPC向けのSO-DIMMから、デスクトップ向けのDIMMに、スロット数も2本から4本へと倍増しており、一般的なMini-ITXマザーボードと比較してもメモリ容量は2倍に拡張されている。こういった改良によって、高いグラフィックス性能が要求されるゲーミングPCや、大容量メモリが必要になるクリエイターPCといった用途でも力を発揮する。
拡張スロットの追加やATX電源ユニットの採用により「DeskMini」シリーズに比べるとサイズは大型化。しかし、その分拡張性は大幅に改善され、グラフィックスカードの搭載も可能になった |
その分本体の容量も8リットルへと増加しているが、フットプリント(突出部除く)は横置き時で幅218.3mm、奥行き219.3mm、縦置き時では幅168mm、奥行き219.3mmに留まり、かなり省スペース。さすがにVESAマウンタでの液晶ディスプレイ背面への設置には非対応だが、デスクの上であれば無理なく設置することができる。
その「DeskMeet」シリーズの第1弾モデルとして投入されたのが、今回の主役である「DeskMeet X300」だ。AMD X300チップセットを採用するSocket AM4モデルで、プロセッサは最新のRyzen 5000シリーズを含むTDP65WまでのCPU/APUに対応する。
メモリスロットはDDR4-3200×4本で、最大容量は128GB。ストレージはPCI-Express3.0(x4)接続の「Ultra M.2」x1に加え、SATA3.0(6Gbps)x2を備え、最大2台の3.5インチHDDや2.5インチSSD搭載できる。また拡張スロットはグラフィックスカード向けのPCI-Express3.0(x16)x1と、ワイヤレスカード用のM.2 2230スロットを実装する。
ブラックを基調にしたパッケージ。サイズは実測幅287mm、奥行き213mm、高さ323mmで、付属品は電源ケーブル、マニュアル、SATAケーブル2本、ソールの他、各種ネジのシンプルな構成 |
その他、ネットワークはRealtek RTL8111HによるギガビットLANを搭載、APU向けのディスプレイ出力はDisplayPortx1、D-Subx1、HDMIx1の3系統を備え、内蔵GPUによる3画面の同時出力に対応する。
なおバリエーションモデルとして、Intel B660チップセットを採用する第12世代Intel Coreプロセッサ向け「DeskMeet B660」もラインナップ。こちらは拡張スロットやM.2スロットがPCI-Express4.0に対応するため、より高性能なPCを構築することができる。