エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1169
2022.07.14 更新
文:撮影・編集部 池西 樹
テストセッションのラストは、消費電力をチェックしていこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、高負荷時は「CINEBENCH R23」と「Time Spy」実行時の最高値を採用している。
Ryzen 5 4500構成では、「CINEBENCH R23」「Time Spy」実行時とも100W以下に留まり省電力性能は非常に優秀。またRyzen 7 5700X構成でも「CINEBENCH R23」で123.2W、「Time Spy」でも211.3Wで頭打ちとなり、500Wの電源ユニットを搭載する「DeskMeet X300」ではまだまだ余力が残されている。
また今回はCPUクーラーにRyzen 5 4500のリテールクーラー「Wraith Stealth」と、SilverStone「Hydrogon H90 ARGB」を使用して検証を行ったが、「Wraith Stealth」ではRyzen 7 5700X搭載時にCPUの許容する最高温度90℃まで上昇し、ブーストクロックを維持することができなかった。
一方、SilverStone「Hydrogon H90 ARGB」では85℃前後まで上昇するものの、ブーストクロックを維持することができていた。Ryzen 7 5700XなどのハイエンドCPUを使用する場合は、CPUクーラーも冷却性能に優れるものを用意したい。
デスクトップCPUに対応することで、高性能な小型ベアボーンとしての地位を確立した「DeskMini」シリーズ。ただし、そのサイズゆえにグラフィックス性能という問題がどうしても付きまとう。
その欠点を解消するべく投入された「DeskMeet」シリーズだが、やはりグラフィックスカードを搭載できるメリットは大きく、最も手頃なRadeon RX 6400を組み合わせた場合でも内蔵グラフィックスとは一線を画すパフォーマンスを発揮する。さらにより上位のRadeon RX 6600をチョイスすれば、WQHD解像度までならAAAの重量級ゲームでも最高画質で快適にプレイすることができる。
またAMDプラットフォームに目を向けると、「DeskMini」ではどうしてもRyzen Gシリーズが必要だったのに対して、「DeskMeet」では、L3キャッシュが多く、高性能なRyzenシリーズを選択できるようになったのも大きなメリット。CPUの冷却には注意する必要があるものの、ハイエンドなデスクトップPCと遜色ないパフォーマンスをコンパクトサイズで実現することができる。
そして「DeskMini」シリーズで定評のあった組み込み易さは「DeskMeet」シリーズでも健在。2段の拡張スロットや、ATXの電源ユニットを搭載しているためサイズは大型化しているものの、本格的なゲーミングPCとしては十分コンパクト。常に持ち運ぶような使い方や、液晶ディスプレイの背面に設置するような使い方でなければ、サイズ面でも気になることはないだろう。
協力:ASRock Incorporation