エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1172
2022.07.20 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
ここからはパッケージより本体を取り出し、Pop Mini Silent TGの外観デザインからチェックを開始する。今さらだが、モデルネームのルールは、”Pop”シリーズの”Mini”(ミニタワー)で、”Silent”(静音仕様)の”TG”(テンパーガラス=強化ガラス)ということになる。モデル数の多いPopシリーズだが、このルールさえ覚えてしまえば、おおよそどんな仕様のモデルか見当が付く。
フロントパネルは、Fractal Designが得意とするフラットデザインを採用。表面は艶消しブラックで、手垢や汚れが付きにくい。素材はプラスチックで、よく見ると上・中段と下段の二手に分割されている事が分かる。パネル自体に装飾はなく、どんなロケーションにも違和感なく溶け込むはず。決めつけるワケではないが、静音志向のPCケースだけに、ゲーミング向けPCよりも、お仕事用途(ビジネスPC)にピッタリだろう。
なおスチール製シャーシには左右各3本のファスナー(ピン)で固定。比較的緩めにロックされているので、上部または下部を手前にずらすだけでファスナーが外れる。なおフロントパネルを外す必要性については、検証を進める中で詳しくご紹介しよう。
最後にフロントパネル裏側に注目してみよう。いわゆる内張りには防音素材のシートが貼り付けられていた。静音志向の”Silent”モデルの特徴としてケースの各所に採用される防音素材は、駆動系構成パーツの動作に伴う騒音を筐体内部に閉じ込める役割を担っている。思えばヒット作「Define 7」等にも採用例があり、Fractal Designの静音対策としてはお馴染みの素材と言えよう。
フロントパネル裏側に貼り付けられている防音素材。サイズは幅約160mm、高さ約250mmで、上・中段エリアをほぼ全てカバーしている |
上・中段と下段の二手に分割されたフロントパネル。その下段に用意されている仕掛けがユニークだ。まず外装パネルはマグネットで固定されており、簡単に取り外す事ができる。外した状態のシャーシ面には引き出しが用意されており、これを引き出すとプラスチック製の小物入れだった。使い方は自由で、取り外したネジの仮置きから充電ケーブル、USBメモリ、SDカードなどを収納してもいい。その昔、空きベイを活用する汎用タイプの小物入れが流行したが、考え方はまったく同じ。Fractalが採用するとは意外だが、実用的な装備は大いに喜ばれるだろう。
2つの円形小型マグネットで固定されている、下段の外装パネル。パネルの右手にはFractalロゴをあしらった布製タグが付けられており、これをつまんで取り外しができる仕掛け |
プラスチック製の小物入れは、幅約140mm、奥行き約75mm、高さ約35mm。外装パネル同様簡単に取り外せるため、手軽に活用できるところが良い |
次に、トップパネルフロント寄り右側に整列したスイッチ&アクセスポート類を見ていこう。最も手前にある角丸の長方形はPowerスイッチで、起動時は白色LEDが発光する。その隣はヘッドホンおよびマイク端子、そしてUSB3.0ポートが2口装備されている。そしてその隣は「TYPE C」のプリントがありつつ出荷時は塞がれていた。
ここはUSB3.1 Gen.2 Type-Cポートが増設できる穴で、オプションパーツとして「USB-C 10Gbps Cable – Model D」(型番:FD-A-USBC-001)が用意されている。オプションとした理由を推察すると、そもそも必要としないユーザーがいる、またはマザーボードに接続用コネクタが無く、活用できないケースがあるためだろう。合理的な判断はコスト削減にもつながり、Fractalらしい選択と言える。
Popシリーズ用オプションパーツ「USB-C 10Gbps Cable – Model D」(型番:FD-A-USBC-001)は、USB3.1 Gen.2 Type-Cポートが増設できるケーブルキット。市場想定売価は税込2,090円前後 |