エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1176
2022.08.06 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
最終セッションは実践編とばかりに、実際に構成パーツを組み上げていく。筆者は数週間前までPop Mini Silent TGに付きっきりで数日を共にし、原稿を書いていた。そのほとぼりがまったく冷めていない状態での兄弟モデル検証とあって、当初やり辛さを心配したが、作業を進めるうちにPopシリーズでもSilentとAirはまったく別物として見られるようになっている。それは明確なコンセプトの切り分けができている事を意味している。
搭載テストにはMSI「MAG Z690 TOMAHAWK WIFI DDR4」を用意した。基板サイズはATX規格準拠の幅244mm、高さ305mm。予め装着済みのスタンドオフに、ミリネジのMounting Screw (M3)で8箇所(+1本はピンタイプ)をネジ留めしていく。
搭載後の周辺クリアランスを計測してみると、天板までは実測で約25mm、右手フロントパネル裏面まで約160mmだった。ちなみにミニタワー(MicroATX対応)Pop Mini Silent TGはそれぞれ30mmと95mmで、右手の空きスペースは十分だが、天板までは意外にもマイナス5mmという結果だった。
マザーボードをマウントしたところで、CPUクーラーの有効スペース実測と、CPUクーラーメンテナンスホールの実測を行ってみよう。
CPUクーラーの有効スペースは、公称で高さ170mm。ここではレーザー距離計を使い、強化ガラス製左サイドパネルの内側にマーカーを貼り付け、CPUからの距離を計測してみた。結果デジタル表示は公称通りの170mmを指し、公称値通りの数値だった。オールインワン型水冷ユニットなら気にならないCPU上空クリアランスだが、170mm確保できていれば中~大型サイドフロー型空冷クーラーの多くが搭載できるだろう。
次に背後に回り、CPUクーラーメンテナンスホールの開口部を見ていこう。カットアウトサイズは実測で幅約165mm、高さは約140mm(いずれも最大部)だった。LGA1700(Z690)マザーボードのCPUクーラー用マウントホールは十分に露出できている事がお分かり頂けるだろう。
次に電源ユニットを搭載してみよう。テストには以前詳細検証を行ったFractal Design「Ion+ 2 Platinum 860W」(型番:FD-P-IA2P-860)を用意。140mmファン(Dynamic GP-14)を搭載したフルモジュラータイプで、奥行きは150mmとした80PLUS PLATINUM認証の高効率モデルだ。
右側面の開口部より本体を滑り込ませ、背面から4箇所をインチネジで固定。最大170mmまでとされる有効スペースに、奥行き150mmの筐体はなんら問題なくマウントができている。気になるのは同床にあるドライブトレイの存在。さらにフロント部に用意された5.25インチオープンベイもクリアランス計測の対象として、両者に光学ドライブ(上段)と2.5インチSSD+3.5インチHDD(下段)を搭載した状態で空きスペースをチェックした。
その結果、5.25インチ光学ドライブ(長さ165mm)までは約135mm、2台のストレージが搭載されたドライブトレイまでは約95mmと、それぞれ空きスペースを確認。フルモジュラータイプの電源ケーブルを隠す場所としては十分な広さである事が分かった。