エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1181
2022.08.21 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
テストセッションのラストは、Ryzen 5000シリーズの中でも温度が高いことで知られているRyzen 7 5800Xによる検証を進めていこう。
TDPはRyzen 9 5950Xと同じ105Wだが、CCDは1基のため熱処理は難しくなる |
「OCCT 11.0.11」はRyzen 9 5950Xと同じく、途中何度か温度が上昇する箇所はあるものの概ね50℃台半ばで推移する。さらに空冷クーラーや、オールインワン型水冷ユニットでもエントリークラスの製品では許容最大温度である90℃に貼りつくことが多い「CINEBENCH R23」でも80℃前後を維持できている。
「OCCT 11.0.11」はRyzen 9 5950Xとほぼ同じ1,400rpm前後、ノイズレベルも40.9dBAで静音性にも問題なし。一方、「CINEBENCH R23」では2,100rpm弱まで上昇し、風切り音がかなり耳につく状態だった。CPUが許容する最大温度まではまだ余裕があるため、ノイズが気になるならファンの回転数を調整するといいだろう。
360mmサイズラジエターを採用するオールインワン型水冷ユニットの中では最安クラスのZALMAN「Reserator5 Z36 Black」。特徴的なギミックといえばウォーターブロックに実装されているイルミネーションぐらいで、高価格帯の製品に採用されることが多い小型LCDや、アドレサブルRGB LEDコントローラ兼ファンハブなどの装備は省略されている。
一方で、本分である冷却性能は優秀。ZALMAN独自の「デュアルブレードポンプ」や、「Micro-skived Fin」構造を採用した大型の銅製ベースプレート、静圧性能を追求した冷却ファンはいずれも良い仕事をしており、発熱が多いことで知られているCore i9-12900Kのリミット解除設定にも対応。現行のメインストリーム向けCPUを使う上で、性能が不足することはないだろう。
そして、まもなく登場予定のAMD Ryzen 7000シリーズや、Intelの新CPU(従来と同じLGA1700を使用)でもCPUクーラーの互換性は維持されていることから、「Reserator5 Z36 Black」は次世代CPUを見据えたアップグレードとしても有望な選択肢になるはずだ。
協力:ZALMAN TECH
株式会社アスク