エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1188
2022.09.03 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
Prime AP201は小型筐体ながらトップパネルに360mmサイズラジエーターが搭載できる。資料にはIntel Core i9-12900KF(MTP241W)またはAMD Ryzen9 5900X(TDP 105W)の搭載が想定されており、それには360mmサイズラジエーターを備えた水冷ユニットは必須と記されている。Prime AP201は新しい世代、さらにこれからの世代を見据えた冷却設計である事が窺える。
そこでまずは編集部所有のASUS「ROG RYUJIN II 360」を用意し、組み込みを行った。第7世代Asetek製ポンプ、さらにNoctuaのIndustrial PPCラジエーターファン、CPUソケットエリア用の内蔵ファンをウォーターブロック上部に内蔵。さらに3.5インチLCDパネルはグラフィカルにPCケース内部を彩る、まさになんでも詰め込まれたASUSのフラッグシップ水冷ユニットだ。
組み込み作業は思いの外スムーズだった。ミドルタワーPCケースに比べ、内部容積は限られているものの、コンパクトゆえの取り回しの良さや、設計上パーツ同士が集約されているため、小さいがゆえの作業のしにくさは一切感じられなかった。フロントマウントの電源ユニットは、「A」のポジションに固定しているため、上部のクリアランスは十分に確保。マザーボードの上端とラジエーター+冷却ファンのマージンも問題なく、組み込み後でもATX補助電源コネクタは抜き挿しができた。
トップパネルから眺めると、360mmサイズラジエーターは左サイドパネル側にオフセットする形で固定されている事が分かる |
次にASUS「TUF GAMING LC 240 ARGB」による組み込みテストも実施した。数あるオールインワン型水冷ユニットの中でも、最も一般的なのが240mmサイズラジエーターモデルであろう。理論上、360mmサイズラジエーターよりも冷却能力は落ちるものの、電源ユニットの搭載ポジションを上部へ移動すれば、ストレージ収納力が向上する。冷却能力とのトレードオフも実際には悩ましいところだが・・・。
水冷ヘッドカバーとラジエーター搭載冷却ファンが発光するASUS「TUF GAMING LC 240 ARGB」。パンチング加工による通気孔越しには、どのように見えるのだろうか |
240mmサイズラジエーターは後ろ寄りにマウント。チューブもストレスなく配管できており、真横から見たところで違和感なく搭載できている事がお分かり頂けるだろう。TUF GAMING LC 240 ARGBでは、水冷ヘッド部から2本(ポンプ用電源ケーブル/ARGBケーブル)、冷却ファンから各2本(電源ケーブル/ARGBケーブル)、合計4本のケーブルが伸びでおり、これらを処理する必要があるワケだが、周辺のスルーホールを使うことで、最低限の露出で組み込む事ができた。
とは言うものの、Prime AP201の左サイドパネルは通気孔仕様だけに、そこまで厳密にケーブルを隠す必要はないことを、付け加えておく。
後方寄りにネジ留めした240mmサイズラジエーター。前方が空くため、電源ユニットは「C」のポジションに固定。フロント裏面に2.5インチSSDまたは3.5インチHDDの増設スペースが確保できた |