エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1191
2022.09.08 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
続いて人気オンラインRPGの最新版「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」の公式ベンチマークの結果を確認していこう。グラフィックス設定は“最⾼品質”で、1,920×1,080ドット(フルHD)、2,560×1,440ドット(WQHD)、3,840×2,160ドット(4K)の3種類の解像度で計測を⾏っている。
4Kのスコアは2,776ポイントで、判定は“設定変更を推奨”、WQHDでもスコアは5,713ポイント、判定も“普通”に留まり、エントリークラスのグラフィックスカードということでWQHDまでは画質を調整しないと快適なゲームは難しいだろう。ただし、フルHDまで解像度を下げるとスコアが9,146ポイントまで上昇し、判定も“快適”を獲得。平均フレームレートも約63fpsで、最高画質で快適にゲームを楽しむことができる。
またRadeon RX 6400との比較では、ビデオメモリへの負荷が高い4Kでは帯域幅や容量の多さが功を奏して「Intel Arc A380 Challenger ITX 6GB OC」のほうが約5%上回る。一方、ビデオメモリへの負荷が軽いWQHDやフルHDでは、ドライバの最適化に問題があるのかスコアが逆転。特にフルHD解像度では約10%と大きな差をつけられている。
テストセッションのラストは、ストレステスト「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使い、消費電力やGPUの温度、ファンの回転数を確認していこう。
今回はCPUにCore i9-12900Kを使用するハイエンドな構成でテストを実施しているが、高負荷時でも消費電力は136Wまでしか上がらず「Intel Arc A380 Challenger ITX 6GB OC」の省電力性能はかなり優秀だ。またGPUの温度も最高74℃までしか上がらず、オリジナルシングルファンクーラーの冷却性能も全く問題ない。
時間の関係もあり、駆け足での検証になったが、「3DMark Time Spy」ではRadeon RX 6400を超えるスコアを記録。さらにレイトレーシングテストの「3DMark Port Royal」では、より上位のRadeon RX 6500 XTをも上回るなど、要所でIntel「Arc A380」のポテンシャルの高さを感じることができた。
さらにエントリークラスグラフィックスカードとしては大容量、かつ帯域幅の広いビデオメモリを搭載しているのも、ライバルに対してメリットになるはずだ。
ただし、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」ではスコアが伸び悩み、これまであまり相性問題が発生したことがないタクティカルシューターゲーム「Tom Clancy’s Rainbow Six Siege」ではベンチマークが完走しないなど、やや不安定な面があったことから、Intelにはドライバのさらなる最適化を望みたい。
協力:テックウインド株式会社