エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1192
2022.09.10 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ASRock「Z690 Pro RS」では、BIOSをバージョン「10.01」以降にアップデートすることで新たに「Auto Driver Installer」機能が追加される。「Auto Driver Installer」の有効・無効は、「インタラクティブUEFI」の「Tool」タブで設定でき、有効化するとOSをインストールした直後にポップアップ画面が表示され、最新ドライバをウィザード形式でインストールすることができる。これにより、光学ドライブがなくドライバDVDが利用できない環境でも、わざわざサポートページにアクセスすることなく、動作に必要なドライバ類をインストールできるようになる。
BIOSをバージョン「10.01」以降(画像右)にアップデートすると「インタラクティブUEFI」の「Tool」タブに「Auto Driver Installer」の項目が追加される。なお一度「Auto Driver Installer」を使用すると自動的に無効化(Disable)されるが、有効化(Enable)すると再び表示させることができる |
「Auto Driver Installer」が有効化されている場合、OSのインストールが完了すると右下にポップアップ画面が表示されるので「はい」をクリック | 「ユーザーアカウント制御」ダイアログで「はい」をクリック |
「Auto Driver Installer」ユーティリティが自動的にインストールされる | インストールが完了すると必要なドライバの一覧が表示されるため「更新」をクリック |
インストール中に再起動を行う可能性がある旨を報告する確認ダイアログが表示されるため「Yes」をクリック | 自動的にドライバのダウンロードとインストールが実行される |
インストールの完了ダイアログが表示されれば作業は完了。ユーティリティは自動的にOSから削除される | 「デバイス マネージャー」を確認したところ。すべてのドライバがインストールされているのが確認できる |
ASRockのIntel Z690チップセットマザーボードではエントリークラスに位置づけられる製品ながら、「50A Dr.MOS」による13フェーズのデジタル電源回路を搭載する「Z690 Pro RS」。テストセッションのラストは、「インタラクティブUEFI」の「CPU Cooler Type」で「360-420mmm Liquid Cooler」を選択し、「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」を実行してその挙動を確認してみることにした。
「Z690 Pro RS」では、「インタラクティブUEFI」から「CPU Cooler Type」を選択すると、そのCPUクーラーに合わせた最適なPL1/PL2値が自動的に設定される |
「360-420mmm Liquid Cooler」を設定したところPL1、PL2とも265Wに設定されていた |
今回の検証では、Maximum Turbo Powerが190Wに設定されているCore i7-12700Kを使用しているが、「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」実行中はほぼ全領域で190W前後を記録。さらにPコアクロックは全コア4.70GHz、Eコアクロックは全コア3.60GHzを維持できており、Core i7-12700Kの性能を十分に引き出すことができている。
今回は他のメーカーに先駆けて新CPUへの対応を打ち出したASRockのIntel 600シリーズのBIOSアップグレード方法と、新機能である「Auto Driver Installer」について紹介してきた。ASRockのIntel 600シリーズでは、多くの製品に「BIOS Flashback」機能が実装されているため、起動できるCPUを持っていなくてもBIOSをアップデートができるのは、新CPUと同時に購入を検討している場合には大きなメリットになる。さらに操作手順も簡単で、LEDインジケータによって進捗も確認できるため、初心者でも特に戸惑うことはないだろう。
またわざわざサポートページに移動して探すことなく最新ドライバがインストールできる「Auto Driver Installer」も便利な機能だ。一度ドライバをインストールすると無効化されるが、「インタラクティブUEFI」からいつでも有効化できるため、定期的に有効化して最新のドライバが無いかチェックするような使い方もできる。
そして今回検証に使用した「Z690 Pro RS」に目を向けると、エントリークラスに位置づけられる製品ながら電源回路は13フェーズと充実した構成。冷却機構もしっかりとしており、今後登場する予定の新CPUでもハイエンドモデルの性能を十分に引き出すことができるだろう。
協力:ASRock Incorporation