エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1196
2022.09.26 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
AMDでは初代Ryzenから第4世代のRyzen 5000まで一貫して、Socket AM4プラットフォームを使用してきた。しかし、Ryzen 7000ではDDR5メモリやPCI Express 5.0などの最新インターフェイスへの対応に加え、TDP(およびPPT)が増加したこともあり、約5年ぶりにプラットフォームを刷新。Intel CoreシリーズやAMD Ryzen Threadripperシリーズと同じ、マザーボード側にピンがあるLGA方式のSocket AM5を採用する。
マザーボード側にピンがあるLGA方式のSocket AM5。ソケット中央を境にピンが逆向きに配置されている |
取り付け方法は切り欠きに合わせてCPUを装着し、カバーをかぶせてレバーでカバーを固定するだけ |
残念ながらCPU自体の互換性はなくなっているが、CPUクーラーの互換性は維持されており、冷却性能に問題がなければこれまでのCPUクーラーや水冷ユニットをそのまま流用できる。さらにAMDでは少なくとも2025年(もしくはそれ以上)まではSocket AM5を継続して使用するとしており、Socket AM4と同様に息の長いプラットフォームになりそうだ。
CPUクーラーのブラケットはSocket AM4と全く同じ。なおグリスはヒートスプレッダの中央に米粒ぐらい塗布して、クーラーに均等にテンションを掛けると、ヒートスプレッダからはみ出すことなくまんべんなく広げることができた |
対応チップセットは「AMD X670E」を筆頭に、「AMD X670」「AMD B650E」「AMD B650」の計4種類がラインナップ。なお“E”付きモデルは、グラフィックスカード、ストレージともPCI Express 5.0に対応するのに対して、無印モデルはストレージのみの対応になる。現時点ではPCI Express 5.0対応のグラフィックスカードは存在しないが、今後のアップグレードを重視するなら“E”付きモデルを選択しておいたほうがいいだろう。
AMD X670E/X670(左)とAMD B650E/B650(右)では、USBポートの数や、PCI Express 4.0のレーン数が異なっている |
プラットフォームがSocket AM5に変更された「Ryzen 7000」シリーズ。これまでCPUにあったピンはマザーボード側に変更されているため、CPUの裏面は全面が電極に変更されている。また表面には基板ギリギリまでキャパシタが実装されており、干渉しないよう上下左右がそれぞれ2箇所ずつ欠けているユニークな形状のヒートスプレッダを採用する。
基板表面のキャパシタと干渉しないよう上下左右がそれぞれ2箇所ずつ欠けているユニークな形状のヒートスプレッダを採用 |
ヒートスプレッダの高さやサイズはSocket AM4とほぼ同等になるように設計されている |
ヒートスプレッダの刻印から、今回の評価サンプルはいずれもMALAYSIAで製造されていることが分かる |
基板には位置合わせ用の切り欠きが用意されており、取り付け方向を間違える心配はない。また基板の裏面はほぼ全面に電極が配置されている |
今回の評価サンプルのうちRyzen 9シリーズの2モデルにはパッケージも付属していた |
ダークグレーを基調にオレンジのワンポイントが映えるパッケージ。前面の中央にはCPUの型番やOPNが確認できる小窓が設けられている |
CPUはさらにプラスチックケースで保護されており、ちょっとした衝撃ならびくともしない。また製品にはこれまでと同様ロゴシールが付属する |