エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1198
2022.09.30 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
TDPが最大170W、PPTは最大230Wに達する「Ryzen 7000」シリーズのパフォーマンスを引き出すため、「X670E Taichi」には24+2+1フェーズ構成もの大規模な電源回路が搭載されている。MOSFETにはDrMOSに温度・電流センサーを統合した105A SPS(Smart Power Stage)を採用するほか、同等の大電流に耐える「105A プレミアムチョークコイル」と、業界最長クラスの長寿命を誇る特注の「ニチコン製12Kブラックコンデンサ」を組み合わせる豪華な構成だ。
また、基板には通常の2倍となる「2oz 銅箔層」を用いたサーバーグレードの低損失8層PCBを採用。電力効率を高めてDDR5メモリやPCI Express 5.0 M.2 SSDの性能を引き出すことを狙ったほか、より広い放熱面積をもつことにより、一般的な6層PCBに比べ最大29℃の温度低下を実現しているという。
VCORE 24+SOC 2+VDDCI 1フェーズ電源を搭載。「Ryzen 7000」シリーズに最適な電源回路を模索した結果、最高レベルの多フェーズ構成が選択された |
DrMOSの上位版とも言えるSmart Power Stageを採用、プレミアムチョークコイルおよびニチコン製12Kブラックコンデンサを組み合わせている |
I/Oシールドと一体化した、XXLサイズの大型ヒートシンク。従来モデルではここにギアの回転ギミックが搭載されていたものの今回は見送られ、代わりに小口径のMOSファンが内蔵されている |
チップセット用ヒートシンクまで連結された一体型構造を採用。ヒートシンク同士はヒートパイプで繋がれている |
CPUソケットはLGAタイプの「Socket AM5(LGA1718)」に刷新。マザーボード側にピンのある方式に変わっているが、CPUクーラーは従来のSocket AM4と同じマウント方法が採用されている |
基板裏面は2/3ほどがメタルプレートで覆われていた |
電源回路とはサーマルパッドで接し、放熱を助ける役目がある。なお基板自体には、分厚い銅箔層を含むサーバーグレードの低損失8層PCBが採用されている |
「X670E Taichi」は、拡張スロットとM.2スロットの両方がPCI Express 5.0に対応する「AMD X670E」チップセットを搭載している。ヒートシンクの裏側に2基のAMD X670チップを備えたデュアルチップ設計が特徴で、最大24レーンのPCI Express 5.0が利用可能(合計PCI Expressレーン数は44)。CPUのオーバークロックやPCI Expressレーン分割機能を備えており、グラフィックスはPCI Express 5.0(x16)×1または(x8)×2構成に対応する。また、USBは最大20GbpsのUSB 3.2 Gen 2×2を2基、USB 3.2 Gen 2を12基サポートしている。
これまでにないデュアルチップ設計を採用する「AMD X670E」。従来以上に多数のI/Oをサポートしている |
電源側ヒートシンクから消えたギアの意匠は、チップセット側に移動している。ただし電磁波を発生させるモーターをチップセット直上に内蔵するわけにはいかず、回転ギミックは盛り込まれなかった |