エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1199
2022.10.04 更新
文:編集部/撮影:pepe
ここからは「Vivance-01」を実際にPCやPlayStation 5に接続して動作を確認していこう。なお検証用のPCにはWQHDで高リフレッシュレートな表示ができるよう、第10世代Intel CoreプロセッサのハイエンドモデルCore i9-10900Kと、GeForce RTX 3080を搭載するゲーミングデスクトップPCを用意した。
まずは風景動画を表示して映り具合を確認していこう。左右両端ではわずかに輝度低下が見られるものの、広視野角なIPSパネルを採用しているため、上下、左右とも角度による画質の変化は最小限に抑えられている。またDCI-P3 95%、sRGB 99%の広色域表示に加え、最大約10億7,300万色の10bitカラーをサポートすることから、対応グラフィックスカードを組み合わせることでトーンジャンプを抑えた色彩豊かな表現ができる。
上下・左右に角度をつけて映像を確認しても画質の変化はほとんどない |
続いて実際のゲーム画面を確認すると、一般的なフルHDより高解像度なWQHDに対応するため、高精細な表示が可能。さらにPlayStation 5やXbox Series Xのような最新コンシューマゲーム機を組み合わせれば、PCを使わずとも120Hzの高速リフレッシュレートに対応する。
WQHDに対応するためゲームでは高精細な表示が可能。また一般的な用途であればデスクトップを広く使えるメリットもある |
最新のコンシューマゲーム機でも120Hzのリフレッシュレートに対応 |
ちなみにリフレッシュレートを最大の165Hzに設定した状態で消費電力を計測したところ標準輝度(80%)で28W、最大輝度(100%)でも34Wまでしか上がらず、公称値である45Wまで上がることはなかった。
次にリフレッシュレートの違いを確認していこう。テストはレースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイ機能を使い、リフレッシュレートを60Hz/120Hz/165Hzに変更して、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影した。なおいずれもディスプレイ同期技術は有効にした状態でテストを実施している。
リフレッシュレート60Hzでは映像がコマ送りのようになるのに対して、165Hzでは滑らかでその差は一目瞭然。特に一瞬の判断が勝敗を分けるFPSゲームやバトルロイヤルゲームでは影響が大きいはずだ。ただし、WQHDで165fpsのフレームレートを維持するには、PCのパフォーマンスが必要になる。もし性能的に厳しい場合は、165Hzほどではないが、60Hzよりは滑らかな120Hzを選択しておいて、将来的にPCをアップグレードした際に165Hzに引き上げるといいだろう。
テストセッションのラストはディスプレイ同期技術の効果を確認していこう。テストはリフレッシュレート比較と同じくレースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイ機能を使い、リフレッシュレートは165Hzに固定。ディスプレイ同期技術をON/OFFして、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影している。
リフレッシュレートが高いため、スーパースローモーションでの撮影でも一瞬だが、ディスプレイ同期技術をOFFにするとティアリングが発生し、わずかにではあるが水平方向にせん断されたようなズレが発生するシーンがある。ゲームタイトルによってその影響は異なるが、フレームレートを安定して維持できるPCならディスプレイ同期技術はONにした状態で使用したほうがいいだろう。
今回はPCパーツの老舗メーカーであるGALAXブランド初のゲーミング液晶ディスプレイ「Vivance-01」の検証を進めてきた。コストパフォーマンスモデルということで、チルト調整のみのスタンドや、KVM・USBハブ機能が省略されるなど、コストカットの影響は確かにある。
ただし、WQHDながら165Hzの高速リフレッシュレートや、1msの高速応答、ディスプレイ同期技術「NVIDIA G-Sync Compatible」に対応し、動きの激しいゲームでも鮮明な表示が可能。色域も広いことから、高精細かつ美しい映像でゲームを堪能できる。さらにインターフェイスが充実していることから、PCとコンシューマゲーム機を併用する場合にも力を発揮してくれるだろう。
またWQHDでは、フルHDの約1.7倍という広いデスクトップスペースを確保できることから、ビジネス向けや動画・画像などの編集を行うクリエイティブ用途にもオススメだ。
協力:CFD販売株式会社