エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1201
2022.10.07 更新
文:撮影・藤田 忠
最後のゲームタイトルは重量級ゲームタイトル「Assassins Creed Valhalla」だ。画質品質は”最高”、解像度はフルHD/WQHD/4Kの3種類を選択し、ゲーム内ベンチマークを使ってフレームレートを計測している。
描画負荷の高い重量級ゲームタイトルだが、WQHD解像度でのプレイを十分視野に入れられる平均フレームレートになっている。ただ、1パーセンタイル点は、60fpsをわずかに下回る56fpsだったので、カクつきを感じないスムーズな表示でのプレイを目指して、画質のカスタマイズは必要だろう。
テストセッションの最後は、「Barikata-417444」の冷却パフォーマンスや、静音性、消費電力といった実使用時に、気になる点を確認していこう。
まずはCPUクーラーとグラフィックスカードの冷却性能を見ていこう。ストレステストには、CPUに「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」を使い、グラフィックスカードには「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を利用している。温度や動作クロックなどは、「HWiNFO64 Pro」で記録し、CPU温度”CPU (Tctl/Tdie) [°C]”、CPUクロック”Core 0 Clock (perf #1/1) [MHz]”、GPUコア温度”GPU Temperature [°C]”、GPUホットスポット温度”GPU Hot Spot Temperature [°C]”、GPUクーラーファンの回転数”GPU Fan[RPM]”の値を抽出している。
Ryzen 7 5700GのTDPは65Wだが、CPUがフルロードされる「CINEBENCH R23」実行時の”CPU Package Power”は79W前後になり、CPU温度は最大で90℃台を記録した。とは言え、CPUクロックは4GHz台で推移しており、極端にダウンすることはなかった。DeepCool「UD551」は136mmの大口径ファンを備えるものの、トップフロータイプによりヒートシンク面積は限られるため、この温度推移はやむを得ないところだ。
続いてゲーミングストレステスト「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」実行時のCPUクロックと温度の推移を確認しよう。CPUへの負荷は低く、CPUクロックはおおむね3,000MHz台になっており、CPU温度もテスト開始時こそ60℃台だが、テスト中はおおむね50℃台後半で推移している。不安なく、ゲームプレイを楽しむことができる。
続いて、テスト中のGPUコア温度やファン回転数から、デュアルファンGPUクーラーを搭載したASUS製Radeon RX 6750 XTグラフィックスカードの冷却性能を見ていこう。
GPUの性能を最大限に引き出す高ワークロードだが、GPUコアの温度は60℃前後を維持しており、GPUコア内の最大温度となるホットスポット温度も最大で82℃と、不安のない温度になっている。なお、テスト実行中のデュアルファンは、66%程度となる回転数2,250rpm前後で動作していたので、冷却性能には余裕を残している。
ストレステスト実行中の騒音値を確認していこう。「Barikata-417444」は、6基のRGB LEDファンによるLEDイルミネーションが魅力のひとつなので、測定は液晶ディスプレイ横への設置を想定して、ケースフロントから、50cm斜め前の位置で行っている。
6基の120mmファンを装備しているため、騒音値はアイドル時でも40.1dBAと高めになるが、両ストレステスト実行時でも2dBA程度アップした42dBA前後に収まっている。静音とは言えないが、RGB LEDファンを満載した魅せるPCと動作音はトレードオフと言える関係なので、妥協が必要だ。
「Barikata-417444」の消費電力をチェックして、テストセッションを締めくくろう。OS起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時。ストレステストの「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」、「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」実行中の最大値をまとめている。消費電力は、ラトックのWi-Fi接続ワットチェッカー「RS-WFWATTCH1」で確認している。
CPUだけなく、グラフィックスカードにも負荷がかかるゲーミング想定の「3DMark」実行時は300W台に達しているが、「Barikata-417444」は標準構成で80PLUS GOLD 750Wを搭載しているので、まだまだ出力に余裕を残している。将来的に、CPUやグラフィックスカードをアップグレードすることも視野に入れられるだろう。
自分で一からパーツを選び、組み上げるにはハードル高めな魅せるゲーミングPCだが、「Barikata-417444」なら、そんな心配は一切無用だ。そのうえ、カラー&発光パターンをフロントスイッチで簡単に切り替え可能とLEDギミックの使い勝手も高ポイント。ゲーミングパフォーマンスもミドルハイGPUのRadeon RX 6750 XTを組み合わせることで、定番eスポーツタイトルの高リフレッシュレートでのプレイや、高精細表示が魅力のWQHDゲーミングを十分狙っていけるのも高く評価できる。
アプライド「Barikata-417444」なら、お手軽に魅せるゲーミングPCを手にすることが可能だ |
Ryzen APUを組み合わせることで、コストを抑えながら、写真や動画の編集といったクリエイティブシーンでも不満のない8コア/16スレッドに対応するのも魅力のひとつだ。PCI Expressレーンが最大でGen 3.0になるなどのマイナス面もあるが、テストでわかるように、PCゲーミングを楽しむには、問題ないパフォーマンスを発揮しており、高い満足感を得られる1台になっていると言える。
協力:アプライド株式会社
SerialTec Japan 株式会社