エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1202
2022.10.11 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
NVIDIA「GeForce RTX 4090 Founders Edition」(国内発売予定なし) 製品情報(NVIDIA) |
2020年に登場したAmpere以来、約2年ぶりに更新されたNVIDIAの最新アーキテクチャ「Ada Lovelace」。製造プロセスがAmpereのSamsung 8nmプロセスからTSMC 4nmへと微細化され、CUDAコア数は最高10,752基から最高18,432基へと約1.8倍に増加。さらにブーストクロックも2.5GHz以上に引き上げられている。
Ampere最上位「GA102」コアと、Ada Lovelace最上位「AD102」コアの比較。トランジスタ数は280億から760億へと約2.7倍増加している |
またレイトレーシング用のRTコアも第3世代にアップグレードされ、レイトレーシング時のシェーダー処理を最適化する「Shader Execution Reordering」や、複雑なジオメトリのレンダリングを高速化する「Micro-Mesh Engine」、不透明な物体の処理を高速化する「Opacity Micro-Map Engine」などの新機能が追加されている。
「Shader Execution Reordering」によって、「Cyberpunk 2077」では最大44%パフォーマンスが向上 |
GPUの負荷が多い、細かいレンダリングや不透明な物体の処理も高速化されている |
さらに超解像技術であるNVIDIA DLSSも第3世代の「DLSS 3」へと進化。元フレームをベースに映像を超解像化するだけでなく、GPUコアに内蔵されている「Optical Flow Accelerator」を使い、連続するフレームから中間フレームを作成することで描画の負荷を大幅に軽減し、フレームレートを引き上げることができる。
超解像技術も「DLSS 3」にアップグレード。その効果については後半のテストセッションで明らかにしていく |
これらの改善により、ワットパフォーマンスは約2倍に向上している。また現行のゲームでは最大約2倍、レイトレーシングやDLSS 3に対応するゲームでは最大で4倍を超えるパフォーマンスを発揮することができるという。
この「Ada Lovelace」アーキテクチャを採用するコンシューマ向けフラッグシップGPUとして投入されるのが「GeForce RTX 4090」だ。GeForce RTX 3090/3090 Tiの後継モデルに位置づけられる製品で、CUDAコア数は16,384基、ストリームプロセッサは128基を搭載する。ちなみにフルバージョンの「AD102」コアと比較すると、「Graphics Processing Clusters」(GPC)が1基無効化されるなど、今後GeForce RTX 4090 Tiのような上位のモデルが登場する余地も残されている。
GeForce RTX 4090では、フルバージョンの「AD102」コアからGPCが1基無効化。さらに一部のGPCからSMが省略されている |
主なスペックはRTコア数128基、Tensorコア数512基、ベースクロック2,230MHz、ブーストクロック2,520MHz、メモリスピードは21Gbps、メモリバス幅384bitで、GDDR6X 24GBのビデオメモリを搭載する。
NVIDIAより提供されたGeForce RTX 4090 Founders Editionの基板画像。電源回路は23フェーズで、計12枚のビデオメモリを搭載する |
バスインターフェイスはPCI Express 4.0(x16)、TGP(Total Graphics power)はGeForce RTX 3090 Tiと同じ450Wで、補助電源コネクタは12+4pinの12VHPWRコネクタを採用。推奨電源ユニットは850Wで、「Founders Edition」のディスプレイ出力はHDMI×1、DisplayPort×3の4系統を備える。
なお各グラフィックスカードメーカーからは原稿執筆時点で価格はアナウンスされていないが、NVIDIAによる想定売価は298,000円とされている。