エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1202
2022.10.11 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
テストセッションのラストは「Ada Lovelace」で追加された最新超解像技術である「DLSS 3」の効果を確認していこう。今回使用したのはベンチマークが「3DMark:NVIDIA DLSS feature test」、ゲームソフトが「Cyberpunk 2077」「Microsoft Flight Simulator」「A Plague Tale:Requiem」の計4種類。いずれもベータバージョンによるテストで、解像度は3,840×2,160ドット、ゲームのフレームレートはNVIDIA「FrameView」を使い計測を行っている。
ベータ版として提供された「3DMark」では、「NVIDIA DLSS feature test」の「DLSS version」で「DLSS 3」が選択可能 |
「NVIDIA DLSS feature test」の「DLSS 3」テストでは、標準解像度が3,840×2,160ドットに設定されていたため「DLSS 2」でも同じ条件で計測を実施してみたところ、「DLSS 3」を選択することで約26%フレームレートが向上した。DLSS:無効からは実に3倍もパフォーマンスが引き上げられており、4K/144Hzのハイエンド液晶ディスプレイに対しても十分なフレームレートを実現できるようになる。
「Cyberpunk 2077」の「DLSS 3」対応ベータ版では、まだベンチマークで正確なフレームレートが測定できないため、フレームレートの計測にはNVIDIA「FrameView」を使用した |
「Cyberpunk 2077」は、「3DMark:NVIDIA DLSS feature test」よりもさらに「DLSS 3」の効果が高く、DLSS:無効から約3.1倍もフレームレートが向上している。今回はベータバージョンということで、ゲーム内ベンチマークではフレームレートが正確に測定できないなど、いくつか不具合が発生しているが、正式リリースでは解消されるということなので、実装を楽しみにしたい。
「Microsoft Flight Simulator」でもフレームレートの計測にはNVIDIA「FrameView」を使用した |
レイトレーシングには非対応ながら重量級のゲームとして知られる「Microsoft Flight Simulator」でも「DLSS 3」を有効にすることで、リフレッシュレートは約2倍に向上しており、超解像技術の効果は確実にある。
まもなく登場予定のアドベンチャーゲーム「A Plague Tale:Requiem」もDLSS 3に対応する |
最後にまもなく発売が開始されるアドベンチャーゲーム「A Plague Tale:Requiem」のベータ版の結果を確認すると、フレームレートは約2.4倍に向上した。なおNVIDIAの提供資料によれば、すべての描画をレイトレーシングで処理する中国で人気のMMO RPG「Justice」では最大5倍までパフォーマンスが上がるとのこと。今後対応ゲームが増えれば、GeForce RTX 40シリーズのアドバンテージの一つになるだろう。
約2年前、Ampereアーキテクチャを採用する「GeForce RTX 3080 Founders Edition」が登場した際にも先代との違いに驚かされたが、今回の主役である「GeForce RTX 4090 Founders Edition」では、そのとき以上の衝撃を受けることになった。
ラスタライズ系のベンチマークではGeForce RTX 3090 Tiのオーバークロックモデルとの比較でも1.7倍以上、レイトレーシング系のベンチマークでは2.2倍以上のスコアを記録。実際のゲームベンチマークでも、レイトレーシングを有効にした状態でほぼすべてのゲームで4K/60fpsをクリアするなど、そのパフォーマンスはまさに圧巻の一言。またレンダリング性能についても従来から約2倍に引き上げられており、クリエイターにとっても魅力のある製品に仕上がっている。
さらにAda Lovelaceでは、DLSS機能も最新バージョンのDLSS 3にアップグレードされ、効果が大幅に向上している。GeForce RTX 4090ではもともとの性能が高いため、現状のゲームではそこまでメリットがあるわけではないが、今後より負荷の高いゲームや、高解像度・高リフレッシュレートな液晶ディスプレイが登場した場合には大いに力を発揮してくれるだろう。
GPU中心の負荷で550Wを超える消費電力や、NVIDIAがアナウンスした予価で30万円に迫る価格など、万人にオススメできるわけではないが、とにかくパフォーマンスを追求したいユーザーにとっては間違いなく最高の1枚になる製品だ。
協力:NVIDIA Corporation