エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1203
2022.10.14 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
「Ryzen 7000」シリーズはTDPが最大170Wに拡張され、PPTは最大230Wに達するなど、マザーボードへの要求はさらに大きくなった。そのため「MAG B650M MORTAR WIFI」には、エントリーモデルとは思えない12+2+1フェーズ80A SPS(Smart Power Stage)による電源回路を搭載。冷却機構もそれに見合うように、I/Oパネルに一体化した大型のアルミニウム製ヒートシンクが備え付けられている。
また、基板は通常の2倍にあたる2oz銅箔層を用いて放熱性能を向上させた、熱をもちにくい構造が特徴。AMDのリファレンス仕様ではミドルクラス相当の6層で構成する、IT-150サーバーグレード準拠の低損失PCBが採用されている。
エントリーモデルとしては、かなり大規模な12+2+1フェーズ構成の電源回路を搭載 |
MOSFETにはDrMOSに温度・電流センサーを統合したSPS(Smart Power Stage)を採用。チョークコイルとともに大電流に耐える仕様になっており、コンデンサも長寿命タイプが選択されている |
I/Oパネルまで延伸され、広い放熱面積を備えるアルミニウム製拡張ヒートシンクを搭載 | 多層構造で放熱面積を稼いでいるヒートシンク。MOSFETには熱伝導率7W/mKのサーマルパッドで接触している |
LGAタイプの「Socket AM5(LGA1718)」に刷新されたCPUソケット。ただしCPUクーラーのマウント方法は踏襲されており、従来のAM4対応クーラーが装着できる |
低損失かつ低発熱なIT-150サーバーグレードの6層PCBを採用。裏側から確認すると、メモリスロットとグラフィックス用スロットが表面実装タイプであることもよく分かる |
「MAG B650M MORTAR WIFI」が搭載するチップセットは、「Ryzen 7000」シリーズに対応するミドルレンジ向けチップセットの「AMD B650」だ。上位のAMD X670E/AMD X670とは異なりシングルチップ仕様になっているほか、“Eシリーズ”チップのようにPCI Express 5.0対応は要求されない。PCI Expressレーン構成は合計36レーンのPCI Express 4.0に対応し、PCI Express 4.0(x16)×1またはPCI Express 4.0(x8)×2のレーン分割が可能。上位チップ同様にCPUのオーバークロックに対応するほか、USBは最大20GbpsのUSB 3.2 Gen 2×2を1基、USB 3.2 Gen 2を6基サポートしている。
PCI Express 5.0対応をオミット、より安価な選択肢として期待されていた「AMD B650」チップセット。上位シリーズとは異なり、従来通りのシングルチップ仕様で実装されている |
冷却用に肉厚のヒートシンクを装着。チップとはサーマルパッドで接し、2箇所でネジ留めされていた |