エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1203
2022.10.14 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
続いては、「MAG B650M MORTAR WIFI」がM.2スロットに標準装備する、専用ヒートシンク「M.2 Shield Frozr」の冷却効果をチェックしておこう。PCI Express 5.0には非対応とあって、ヒートシンクの形状や規模については従来モデルと変わりないように見える。
なおテストにあたっては、PCI Express 4.0(x4)対応SSDであるCFD「PG4VNZ」シリーズの1TBモデル「CSSD-M2M1TPG4VNZ」を用意。「CrystalDiskMark 8.0.4」のデータサイズを1GiB、テスト回数5回に設定し、3回連続でベンチマークを実行した際の挙動を確認しよう。
SSD転送速度と温度 |
「CSSD-M2M1TPG4VNZ」の公称スペックは、シーケンシャル読込7,000MB/s、同書込5,500MB/s、ランダム読込350,000 IOPS、同書込700,000 IOPSといったところ。「CrystalDiskMark 8.0.4」の計測でもほぼそれに近い数値が出ているほか、動作温度は最大でも55℃未満に収まった。グラフも乱れなく安定しており、サーマルスロットリングを発生させることなくしっかりコントローラを冷却できていることが分かる。
アイドル時(左)とベンチマーク時(右)のヒートシンクの様子。高負荷時にはしっかりとヒートシンクが受熱し、冷却機構としての役目を果たしている。 |
前世代から大幅なパフォーマンス向上を実現、「Ryzen 7000」シリーズは目に見えてパワーアップを実感できる優秀なCPUだ。今後しばらく自作市場における主役の一角を張っていくであろうことは確実ながら、高価すぎるマザーボードが飛躍の足を引っ張っていたことは前述の通り。しかし新たな選択肢としてリーズナブルなAMD B650チップ搭載モデルが登場したことで、ようやく現実的にアップグレードが可能になったと言える。
最新世代で大きなトピックになっているPCI Express 5.0に対応しない点は残念とは言え、現状ではグラフィックスカード・SSDともに対応製品は未登場。明確なデメリットなく魅惑の最新CPU環境にシフトできるというわけだ。
もちろん3万円台半ばを超える「MAG B650M MORTAR WIFI」もそれなりの価格ながら、マザーボードへの要求が増した「Ryzen 7000」シリーズを運用する上で、十分な信頼性を備えていた。ミドル相当の多フェーズ電源回路やそれを支える大規模な冷却機構、必要十分なストレージ、有線&無線の高速なネットワークなど、搭載機能は充実。MicroATXというフォームファクタにとらわれず、お手頃かつ安心なAMD B650マザーボードを探しているユーザーに広くオススメできる。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社