エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1206
2022.10.18 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
各種ベンチマークが一通り完了したところで、消費電力をチェックしていこう。ストレステストには「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使い、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として計測を行った。
公称スペックではTGPが480W(GAMING Mode時)に設定されている「GeForce RTX 4090 SUPRIM LIQUID X 24G」だが、GeForce RTX 4090 Founders Editionとの差は9.3Wしかなく、ほぼ誤差の範囲。オーバークロックモデルながらFounders Editionからの消費電力増加はそれほど気にする必要はないだろう。
テストセッションのラストはグラフィックスカード上の空冷システムと、240mmラジエターによる水冷システムを組み合わせた「ハイブリッドサーマルデザイン」の冷却性能をチェックしていこう。消費電力の計測と同じく、ストレステストには「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使用している。
グラフィックスカードのみの負荷でシステム全体の消費電力が570W近くまで上昇する「GeForce RTX 4090 SUPRIM LIQUID X 24G」だが、高負荷時のGPU温度は最高でも65.8℃、Hot Spot温度も76.5℃で、GeForce RTX 4090 Founders Editionからいずれも約5℃低下。ファン回転数もファン1が1,500rpm前後、回転率は48%前後、ファン2が1,600rpm前後、回転率は45%前後に留まり、余力もまだまだ十分に残されている。
最新アーキテクチャ「Ada Lovelace」の採用により、先代GeForce RTX 30シリーズを圧倒するパフォーマンスを実現したGeForce RTX 4090。そのトレードオフとして、VGAクーラーも大型化が進み、現在発売中の空冷クーラーモデルでは3スロットを専有するのは当たり前。実質4スロットを専有するものもあるなど、取り扱いは難しくなっている。
一方、今回の主役である「GeForce RTX 4090 SUPRIM LIQUID X 24G」では、空冷と水冷を組み合わせた「ハイブリッドサーマルデザイン」を採用することで、カード自体のサイズを抑えることに成功。自重によるカードの歪みや垂れ下がり、拡張スロット破損の恐れといったデメリットは解消されている。
また熱源を分けて冷やすことで、冷却性能も優秀。ラジエーター搭載スペースを別途用意する必要があるのものの、イマドキのタワー型PCケースであれば2基のラジエーターに対応するものがほとんど。さらに240mmラジエーターを採用することで汎用性も高く、CPUクーラーに水冷ユニットを使用している場合でも問題になることはないあまりないはずだ。“GeForce RTX 4090の圧倒的なパフォーマンスは魅力だが巨大なクーラーを使いたくない”というユーザーにとって、「GeForce RTX 4090 SUPRIM LIQUID X 24G」はまさに唯一無二の選択肢になるだろう。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社