エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1208
2022.10.22 更新
文:撮影・藤田 忠
続いては、NVIDIAが提供するGeForce NOWを試していこう。日本国内ではソフトバンクとauから提供されており、それぞれ「GeForce NOW Powered by SoftBank」「GeForce NOW Powered by au」となっている。基本の月額料金は同じだが、GeForce NOW Powered by SoftBankは無料で試せるフリープランを用意している。GeForce NOW Powered by auには無料プランが用意されていないが、auスマートパスプレミアム会員の場合、無料で利用できる。ただ、ともに無料のプランは、NVIDIA RTXを利用できず、連続プレイ時間が1時間になるなどといった制限がある。
導入とプレイの流れは、Xbox Cloud Gaming(Beta)と同じだが、GeForce NOWは基本、SteamやEpic Games Storeなどで所有しているゲームを、ストリーミングでプレイする形になる。ゲームの購入が必要になるが、ハイスペックなグラフィックスカードを搭載せずに、レイトレーシングを活かした話題のゲームを楽しむことができるのがメリットだろう。
ソフトバンクとauの月額は1,980円と同じになっており、NVIDIA RTXはプレミアムプランでのみ利用できる | au/UQ mobile 5Gユーザーは月額330円値引きなど特典もあるので、使用している携帯回線に合わせて選ぶのが良いだろう。ここではGeForce NOW Powered by SoftBankに加入した |
多くのゲームタイトルが、GeForce NOWでのクラウドゲーミングに対応している |
GeForce NOWでは重量級ゲームタイトル「Shadow of the Tomb Raider Definitive Edition」と「ASSASSINS CREED VALHALLA」を遊んでみた。ともにゲーム内にベンチマーク機能を備えており、クラウドゲーミング時も実行できるので、Ryzen 7 5700Gが内蔵しているRadeon Graphicsと、GeForce NOWサーバーとのフレームレートを比べてみると、結果は一目瞭然だった。実際のプレイでは、画質が多少落ちるようなことはあったが、フレームレートは、おおむね60fpsを維持しており、ストレス少なくプレイを楽しめた。
ともに画質は最高品質に設定してゲーム内ベンチマークを実行している。GeForce NOWのサーバーのスペックも確認できる |
重量級ゲームタイトル「ASSASSINS CREED VALHALLA」のワンシーン | ゲーム中にMSI Afterburnerで各種情報を画面に表示させると、フレームレートは60fpsを維持。「Trident S 5M-022JP」のCPUや、GPUへの負荷率が低い点にも注目だ |
快適にクラウドゲーミングを楽しめた「Trident S 5M-022JP」だが、インターネット回線は余裕のある通信速度と安定性が必須になる。Xbox Cloud Gaming(Beta)では、表示解像度1080pかつフレームレート最大60fpsで20Mbps以上、GeForce NOWでは解像度720P/60fpsで15Mbps以上、1,080p/60fpsでは25Mbps以上の通信速度が要求されることから、固定の光回線がおすすめだ。
今回のテストでは、筆者宅で600Mbps~940Mbpsの回線速度を安定して発揮するNURO光を利用し、ギガビットLANでルーターに接続をしている。今回のテストでは利用することはなかったが、ユーティリティ管理ツールの「MSI Center」には、アプリケーションごとにネットワーク帯域の優先度を設定できる「LAN Manager」も導入されている。
GeForce NOWの回線速度テストでは、ギガビットLAN、Wi-Fi6接続ともに、推奨の回線速度や遅延をパスしている |
「MSI Center」の「LAN Manager」では、帯域の優先度を設定することが可能だ |
クラウドゲーミングPCの名の通り、Xbox Cloud Gaming(Beta)とGeForce NOWでゲームプレイを楽しめた「Trident S 5M-022JP」。続いてもうひとつのトピックになるであろう、Android向けスマホゲームをPCで楽しめる「MSI APP PLAYER」を紹介していこう。
「MSI APP PLAYER」は、AndroidゲームをPCで遊ぶために開発されたAndroidエミュレーターのひとつである「Blue Stacks」をベースとしたツールだ。ゲーム(アプリ)によっては利用規約違反になることがあったり、配信を行うと著作権侵害になったりと、その利用は自己責任。当然だがGoogle、アプリの運営も、サポートはしてくれない。その上で「MSI APP PLAYER」を使ってみると、デフォルトでAndroidエミュレーターが構成されており、スマホゲームを大画面で楽しむことができた。
「MSI APP PLAYER」の初期起動状態 |
Googleアカウントでログイン。Google Playからスマホ同様の感覚でゲームをインストールできる |
美麗な大画面でスマホゲームを楽しむことができる | 「MSI APP PLAYER」には、ゲームのイベントなどを逃さないように通知機能を装備 |
エミュレーターに割り振るCPUコア数や、解像度などをカスタマイズすることもできる |