エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1208
2022.10.22 更新
文:撮影・藤田 忠
クラウドゲーミングを楽しむうえで十分過ぎるスペックを備え、プレイ動画の録画や、Androidエミュレーターを使ったスマホゲームプレイを余裕で行えた「Trident S 5M-022JP」だが、基本のパフォーマンスもみておこう。
CPUの純粋なパフォーマンスをチェックできるレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R23」に、日常用途から、ビジネスワークや、写真の編集などのパフォーマンスを計測できる「PCMark 10」。内蔵グラフィックスの性能をチェックする定番3Dベンチマーク「3DMark」と、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」を実行した。
「CINEBENCH R23」の結果 |
「PCMark 10」の結果 |
「CINEBENCH R23」のマルチコアテストは、データベースと比べると若干下がっていたが、12,817ポイントと十分優秀で、シングルコアテストはほぼ同ポイントを記録している。「PCMark 10」のスコアも、8コア16スレッドのデスクトップ向けAPUとしては順当なスコアになっており、日常的なPC操作の「Essentials」と、ビジネスワークの「Productivity」はともに10,000ポイントを超えている。「Trident S 5M-022JP」は、日常、ビジネスワークも快適に行えるパフォーマンスを備えている。
高いグラフィックス機能が魅力のAMD Ryzen APU。さすがにGPU負荷が高く、グラフィックスカードが必要な「Time Spy」「Fire Strike」のスコアは低く、テスト中のフレームレート最低値は、10fpsを切っていたが、内蔵グラフィックスを想定した軽量級ベンチマークの「Night Raid」では、Graphics scoreが17,192ポイントと高いスコアを出している。テスト中のフレームレートも60fpsオーバーと、ウェブゲームや軽量ゲームを快適に楽しむことができる。
Direct X12を利用した軽量ベンチマークの「Night Raid」 |
ベンチマークの最後は「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」をフルHD解像度、「標準品質(デスクトップPC)」で実行していこう。
スコアは6,330ポイントで、指標は「やや快適」となった。テスト中の平均フレームレートは60fpsを切っているので、本格的にプレイを楽しむにはちょっと厳しい。
最後は「Trident S 5M-022JP」の動作音と消費電力を確認していこう。騒音値の測定は液晶ディスプレイ横への設置を想定して、本体から50cm斜め前の位置で行っている。
CPUがフルロードされる「CINEBENCH R23」実行時は、40dBAを超えたが、「3DMark TimeSpy Stress Test」や、クラウドゲーミング中の騒音値は40dBAを切っており、ゲームに集中することができる。
消費電力は、CPUとGPUへの負荷が高い「CINEBENCH R23」と、「3DMark TimeSpy Stress Test」実行時はさすがに110Wと80W台と高くなるが、クラウドゲーミング中は30W台とかなり低くなっている。
快適なPCゲーム=ハイスペックゲーミングPCが必要という概念を壊すクラウドゲーミングだけでなく、Androidエミュレーター「MSI APP PLAYER」を使ったPC上でのスマホ向けゲームのプレイと、新しいゲームプレイスタイルを楽しめる「Trident S 5M-022JP」。そのうえ、リモートワークでのビデオ会議や、レポート作成、家計簿、軽い写真の編集、管理などの処理であればストレスなく行うことができるパフォーマンスを備えていた。
MSI「Trident S 5M-022JP」は、パフォーマンスだけでなく、そのデザインも魅力だろう |
仕事でPCゲームを楽しむ時間が少なくなった人や、大画面で手軽にPCゲームを楽しみたい人などに加え、コストを抑えたはじめてのゲーミングPCを検討中といった人などは、一考してみよう。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社