エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1209
2022.10.24 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
4箇所のネジを取り外す(本来は保証対象外の行為)ことで、容易に内部機構へアクセスできた |
ここからは「Hydro PTM PRO ATX3.0」を分解し、内部構造を眺めていこう。そのレイアウトは、入力部など一部を除いてケーブルを使用しないケーブルレス仕様。各種ドーターボードは銅板でメインボードに接続され、サーマルパッドを介して筐体で放熱される、熱をもちにくい設計になっている。
また、負荷50%で最低92%の電力変換効率を発揮する高効率な80PLUS PLATINUM認証製品とあって、各種ダイオードやMOSFETを冷却するヒートシンクのサイズは控えめ。「OFF-WETテクノロジー」により基板にはコンフォーマルコーティングが施され、サーバーグレードのタフさを手に入れている。
内部構造でケーブルが使われているのは入力部のみ。比較的素直なレイアウトが採用されており、各部位には省略なくコンポーネントが詰め込まれている |
サーミスタやローパスフィルター、チョークコイルなどを実装、突入電流や高周波ノイズ対策が施された入力部。HONGFA製のパワーリレー「HF115FK」も確認できる |
交流を脈流に変換する一次側整流回路。奥側のヒートシンクには、発熱の大きなダイオードが直接固定されている | 力率を改善するためのアクティブPFC回路およびコイル |
脈流を平滑化、安定した直流に変換する一次側の平滑回路。MOSFETモジュールは、同じく発熱の大きなスイッチング回路のダイオードとともにヒートシンクに取り付けられている |
一次側平滑回路に実装されていた、450V/105℃対応のルビコン製大容量コンデンサ |
LLC回路のMOSFETが取り付けられたヒートシンクと、その隣に実装されているコイル |
入力電圧を異なる電圧に変換し、実際に使う電圧値に近い電圧を出力するメイントランス。高効率かつ動作の安定性を追求するため、デュアル構成になっている | スタンバイ用5VSB回路のサブトランス |
高周波の波状を直流に変換する二次側の整流回路から、平滑回路にかけて。高速応答に対応するための固体コンデンサが確認できる | 二次側の平滑回路には、日本ケミコン製の105℃コンデンサが実装されていた |
手前側に見えるのは12Vから5Vと3.3Vを生成するDC-DC変換基板で、ファン制御用の回路も同じ基板上に搭載されている | 最奥には、各種コネクタが接続されるモジュラー基板が実装されている |
冷却ファンは135mm径のFDBファンを採用、Protechnic Electric製の「MGA13512XF-A25」が搭載されていた |