エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1209
2022.10.24 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
まずトップバッターとして、定番のストレステストである「OCCT」の最新バージョン「OCCT 11.0.12」を実行する。プリセットはCPUとグラフィックスカードの両方に強力な負荷をかける「電源」をチョイス、テスト時間は30分間に設定している。
なおCore i9-12900KSとGeForce RTX 4090を搭載したシステムということもあり、テスト時の消費電力は最大895Wをマーク。電源ユニットは負荷率50%時に最高の変換効率を発揮するところ、実に90%に迫る強力な負荷がかかっていたことになる。
システムの主要な動作に用いられる+12Vの挙動をグラフで見てみよう。まず主電源のATX12Vをチェックすると、高負荷状態でも波形はフラットで、12.02Vを常に維持できている。CPU補助電源はテスト序盤こそ微細な変動があるものの、ロード中は12.0Vにピタリ。90%近い強力な負荷がかかる中で、ここまで一定の出力を維持できているのは素晴らしい。
もう一方のPCI Express補助電源こそ、前者に比べれば変動は大きく見えるものの、フルロード時は11.93~11.94Vを推移。常に一定の範囲で動作している傾向は変わらず、12V基準で±を合計した変動幅もわずか1%にすぎない。ATX 3.0電源の規格で許容されている+5%/-7%は楽々クリアしているのはもちろん、「Hydro PTM PRO ATX3.0」の厳しい電圧レギュレーション(±1%)の範囲にもしっかり収まっている。
続いては3Dベンチマークテストの代表的存在である「3DMark」から、4Kストレステストの「Time Spy Extreme Stress Test」を動作させてみる。よりグラフィックスに特化した負荷による、電源ユニットへの影響を見ていこう。「OCCT」同様に30分間連続で動作させている。
ちなみに消費電力は「OCCT」実行時からだいぶ落ち着き、最大652Wに留まった。ゲームプレイなど3D描画シーンにおける要求電力としては、これくらいが現実的な数値なのかもしれない。
ATXとCPUは動作傾向が似通っており、ストレステスト稼働中はほぼ12.03~12.04Vを推移。変動を読み取れるのは軸の数字がかなり小さいからで、実質的にはテストを通じてほぼフラットな波形を維持していると言える。
より大きな変動を見せているPCI Expressもまた、アイドル時を含めた全体の変動幅を合計しても1%に満たない。フルロード時は11.96~11.97Vで安定しており、強力な負荷が連続するシチュエーションでもド安定の挙動を見せてくれた。