エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1213
2022.11.01 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
もとより“縁の下の力持ち”的な立ち位置とあって、電源ユニットが脚光を浴びる機会はそう多くはない。ところが前世代に引き続き、NVIDIA最新世代のウルトラハイエンドGPUであるGeForce RTX 4090に12VHPWRコネクタが採用されたことで、それを備える新世代の電源ユニットに注目が集まっている。
12VHPWRは、PCI Express 5.0世代を見据えた新規格のATX 3.0に盛り込まれた、最新のグラフィックスカード用補助電源コネクタだ。従来の8pinコネクタを変換してGeForce RTX 4090を運用する場合は4系統もの給電が必要なところ、最大600Wを給電可能な12VHPWRコネクタを搭載していればケーブル1本で済む。GeForce RTX 4090ユーザーでなくとも、将来を見据えて12VHPWR搭載電源の購入を考えている人は少なくないはずだ。
玄人志向「KRPW-PA1200W/92+」 市場想定売価税込31,880円前後(2022年9月上旬発売) 製品情報(玄人志向)(CFD販売株式会社) |
いま市場でも12VHPWRコネクタを搭載する電源ユニットが数を増やしつつあるが、今回はその中から、玄人志向が販売する「KRPW-PA1200W/92+」を取り上げる。システム負荷率50%で変換効率92%を発揮する80PLUS PLATINUM認証を取得した高効率モデルで、容量は1200W。ケーブルタイプは、すべてを着脱式としたフルモジュラー(フルプラグイン)仕様を採用している。
ちなみに9月上旬から販売が開始された「KRPW-PA1200W/92+」の市場想定売価は、税込31,880円前後。これはATX 3.0に対応するPLATINUM認証の大容量電源ユニットとして最安クラスの破格値だ。他ブランドの1000Wモデルと同等の価格(あるいはさらに安価)で1200Wモデルが購入できるとあって、コストパフォーマンスを重視するユーザーには一際注目の製品と言える。
必要な情報が漏らさず記載されているパッケージ。12VHPWRを含むコネクタ構成から出力仕様、ファンの回転仕様に至るまでが売り場で確認できる |
さすがはリーズナブルな価格設定に定評のある玄人志向製品と言ったところだが、上位グレードの80PLUS PLATINUM認証モデルとあって、その設計は高品質志向。信頼性の指標になるコンデンサには、すべて日本メーカー製の105℃コンデンサが採用されている。50℃の環境にも耐える品質設計とのことで、過酷なシチュエーションでも動作する信頼性が確保されているというわけだ。
そして冷却機構には、135mm径のFDB(流体動圧軸受)ファンを搭載。静音性と耐久性に優れた大口径ファンで、低負荷時に回転を停止するセミファンレス機能も備えている。概ねシステム負荷40%ほどから間欠回転に移行し、ほとんどの負荷環境で動作音を20dB以下に抑える仕様。ちなみにセミファンレス機能は背面の切り替えスイッチで任意にON/OFF可能なため、信頼性を重視する“常時回転派”も安心だ。
そのほか、過負荷保護(OPP)、過電流保護(OCP)、過電圧保護(OVP)、低電圧保護(UVP)、短絡保護(SCP)、過温度保護(OTP)、無負荷運転保護(NLO)の各種保護回路を搭載。メーカー保証期間は5年間に設定されている。
12VHPWRコネクタを備えた同シリーズのバリエーションとして、1000Wモデルの「KRPW-PA1000W/92+」(市場想定売価税込27,480円前後)も販売されている |