エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1213
2022.11.01 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
最後は実際のゲームプレイにより近い負荷を再現するため、長時間のループ実行に対応した「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」の公式ベンチマークテストを動作させることにした。グラフィックス設定は“最高品質”、解像度は3,840×2,160ドットにセットし、これまで同様に30分間動作させている。
ちなみにベンチマーク中の消費電力は、「3DMark」とほぼ同じ最大585W。システム負荷率は50%に近く、やはり理想的な負荷率で動作していた。
セッション中に目まぐるしく負荷のレベルが変わるベンチマークテストとあって、グラフの変動は目立って増えている。しかし変動幅自体はこれまでとほぼ同じで、ATXとCPUは-0.5%以下。変動幅の大きいPCI Expressでも-1%以下に収まっている。グラフ波形にも規則性があり、常に同じ範囲で安定して動作していることが分かった。
ウルトラハイエンド向けの製品とあって、大容量電源ユニットもGeForce RTX 4090も、元よりコストパフォーマンスを云々する対象ではない。しかし高性能かつ安心して使える製品をより安く手に入れたいという考えは、多くのユーザーに共通するマインドだろう。
その点で玄人志向が手がける「KRPW-PA1200W/92+」は、ATX 3.0対応かつ80PLUS PLATINUM認証モデルで最安クラスという価格設定ながら、納得の安定動作。高負荷時でも動揺することなく、微細な変動幅で出力を制御できていた。ほとんど飾り気のない武骨なボディもご愛嬌、シンプルに機能のみを追求するユーザーにはむしろ好印象だろう。
ON/OFF切り替え可能なセミファンレス機能を備えた冷却機構も、テストを通じて静粛そのもの。ウルトラハイエンド環境の心臓として不安なく運用が可能だ。
そして30万円を超える製品がほとんどを占める中で、29万円切りで発売された「GG-RTX4090-E24GB/OC/TP」もまた、シンプルに機能を追求するユーザーにとっては見逃せない存在だ。3.5スロットに達する巨大なクーラーは扱いに難儀するが、これは他のGeForce RTX 4090搭載モデルも同じこと。むしろ新設計の3連ファンだけでなく、ファンの拡張による最大4基運用も可能なギミックは、自作ユーザーの琴線に触れる面白い追加要素だ。ARGB対応のサポートスティックも同梱されるなど、極めてお買い得感が高い製品に仕上がっている。
最新のウルトラハイエンド環境をできるだけ最小限のコストで揃えようという向きには、この“最安コンビ”を忘れずチェックしておこう。
協力:玄人志向