エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1217
2022.11.09 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
まずは総合ベンチマーク「Sandra 20/21」のメモリ関連テストを使用した検証から始めよう。メモリ帯域やレイテンシの違いをチェックするため、「メモリーの帯域」および「メモリーのレイテンシ」のテストをそれぞれ実行した。
4,800MHzとの比較では、6,000MHzは1.2倍以上も帯域幅が向上。さらに3,200MHzとの比較では実に1.5倍以上に差が拡大。メモリクロック通りの順当なスコアで、動作クロックはメモリ帯域に大きな影響を与えていることが分かる。
また、レイテンシは6,000MHzが4,800MHzに対し約15%の差をつけた。ちなみにメモリタイミングの設定で最もレイテンシが小さいのは3,200MHzだが、DDR5メモリ間で比較する以上は動作クロックの差で逆転。6,000MHz設定を中心に、ワンタッチでセット可能な高クロック動作のアドバンテージがしっかり発揮されている。
続いてはCPU性能を計測するCINEBENCH系のベンチマークを実行。それぞれのメモリ設定がどのような影響を与えるのかを見ていこう。なおテストは「CINEBENCH R15」「CINEBENCH R20」「CINEBENCH R23」の3種類すべてを実行した。
「CINEBENCH R15」は最も処理が軽く、新しくなるにつれてメニーコアへの最適化が進みテスト時間も延びていくCINEBENCH。しかしテスト傾向は総じて似通っており、いずれも動作クロックによる差は1%程度。メモリの影響はそれほど大きくなさそうだ。ただし一部を除いてはクロック順のスコアになっており、動作クロックの上積みによる効果は確認できる。
次も主にCPUのパフォーマンス比較に使用される、圧縮・解凍ソフト「7-Zip」の内蔵ベンチマークテストをチェックしてみよう。6,000MHzのAMD EXPO設定を含め、メモリ設定の違いはどの程度影響するだろうか。
まず圧縮から見ていくと、6,000MHzは4,800MHzに比べ1.2倍以上のスコア差をマーク。3,200MHzとの比較では、その差が1.3倍以上に拡大した。その一方で展開処理では4,800MHz比で5%、3,200MHzとの比較でも8%程度と落ち着いた結果に収まっている。
これは圧縮処理中にはメモリへ頻繁にアクセスを行うものの、展開はほとんどメモリを使用しない処理のため。「タスク マネージャー」のメモリ使用量を確認すると、圧縮処理時はメモリ使用量が増加し、展開処理によって使用量が落ちる様子からも見て取れる。