エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1219
2022.11.15 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
NVIDIA「GeForce RTX 4080 Founders Edition」(国内発売予定なし) 製品情報(NVIDIA) |
今回の主役である「GeForce RTX 4080」は、NVIDIAの最新アーキテクチャ「Ada Lovelace」を採用するハイエンドモデルだ。2022年10月に登場したGeForce RTX 4090の下位に位置づけられる製品で、製造プロセスはTSMC 4Nカスタムプロセスのままだが、GPUコアはSM数76基の「AD103」に変更。トランジスタ数は763億→459億に、CUDAコア数は16,384基→9,728基へといずれも約6割程度の規模へと縮小されている。
フルバージョンの「AD103」(上)とGeForce RTX 4080(下)のブロックダイアグラム図。GeForce RTX 4080ではフルバージョンの「AD103」からSMが4基削減され、「NVENC」も3基に変更されている |
またメモリバス幅は384bit→256bit、メモリバス帯域も1,008GB/s→716.8GB/sになるなど、GPUコア数、メモリ帯域ともやや削減幅が大きいのは気になるところ。実際、単純なCUDAコア数やメモリバンド幅は、GeForce RTX 3090シリーズはもちろん、GeForce RTX 3080 Tiよりも少なくなっているが、コアアーキテクチャの改善やL2キャッシュの増量によってフォローできているのかは後半のテストセッションで明らかにしていく。
NVIDIAより提供された基板画像。「GeForce RTX 4090 Founders Edition」(左)に比べて、「GeForce RTX 4080 Founders Edition」の電源回路はだいぶ控えめ。またGPUコア自体のサイズが小型化され、周囲のフレームも省略されている |
一方、TGPはGeForce RTX 4090の450W→320Wへと実に130Wも低下。先代のハイエンドGeForce RTX 3090/3080 Tiに比べても30W低く、付属する16pin変換コネクタも「GeForce RTX 4090 Founders Edition」の8pin×4から8pin×3へと変更されていた。これまで、消費電力や発熱の問題でGeForce RTX 40シリーズの導入を控えていたユーザーにとっては嬉しい変更と言えるだろう。
「GeForce RTX 4090 Founders Edition」に付属していた16pin変換アダプタ(左)と「GeForce RTX 4080 Founders Edition」に付属していた16pin変換アダプタ(右)。8pinコネクタの数が4基から3基に変更されている |
主なスペックはRTコア数76基(第3世代)、Tensorコア数304基(第4世代)、ベースクロック2,210MHz、ブーストクロック2,505MHz、メモリスピードは22.4Gbps、ビデオメモリはGDDR6X 16GB、L2キャッシュは65,536KB。バスインターフェイスはPCI-Express4.0(x16)、推奨電源ユニット容量は750Wで、「Founders Edition」のディスプレイ出力はHDMI×1、DisplayPort×3の4系統を備える。
なおオンラインカンファレンス「GTC 2022」の基調講演で発表された当初GeForce RTX 4080には、GDDR6X 16GB版とGDDR6X 12GB版の2種類のSKUがラインナップされていたが、後者についてはビデオメモリ容量の他、CUDAコア数やメモリバス幅なども異なり、同じ製品名では混乱を招く可能性があるということでキャンセルされている。