エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1222
2022.11.30 更新
文:編集部 Tawashi/撮影:pepe
ここからは「G272CQP」を実際に動作させながらパフォーマンスをチェックしていく。検証用PCとして用意したのは、詳細検証をお届けしたMSIのゲーミングデスクトップPC「Aegis Ti5 10TE-018JP」。基本構成はIntel Z490マザーボードに、10コア20スレッドのIntel Core i9-10900K、GeForce RTX 3080、メインメモリは32GB(16GB×2)を搭載する。
斬新なデザインの本体を採用する「Aegis Ti5 10TE-018JP」。ゲームミングPCとしては十分ハイエンドなスペック |
人間の視野角により近いとされる1,000Rの曲率をもつ「G272CQP」。改めて画面を眺めていると、湾曲液晶ならではの包まれるような高い没入感を得ることができる。液晶パネルは27型のWQHD(2,560×1,440ドット)解像度に対応。仕様上、左右端では角度に対する変化が大きく、特に1,000Rともなるとその影響は顕著。VA方式のパネルを採用していることもあり角度をつけると輝度やコントラストの低下がやや確認できる。ゲームをプレイする際は、液晶パネルの中心に頭が入るようなポジションを意識することで、極めて良好な画質と臨場感で高い没入感を味わうことができるはずだ。
HDRは、明暗差でメリハリをつける画質機能で、Windowsのディスプレイ設定から有効化することができる。ただしHDR非対応コンテンツの場合、全体的な輝度とコントラストがやや強化される程度で、環境や好みによっては必ずしも良い結果にはならない。さらに、明るすぎる場合はWindowsのディスプレイ設定にあるHDRの輝度レベル調整と合わせて活用すると良いだろう。
5段階に輝度を最適化することで白飛びを抑えゲームの雰囲気を損なうことなく視認性を高めることができる。個人的には自動で効果を調整してくれる「A.I.」が見やすかった |
「ナイトビジョン」はゲーマー向けの補正機能で、暗いシーン、あるいは明暗差が大きなシーンで暗部の明るさを持ち上げて視認性を改善させることができる。たとえばゲーム中に薄暗い場面で敵と遭遇した場合などに役立つ機能だ。液晶の輝度調整では画面全体が一律で変化するのに対し「ナイトビジョン」は、効果のレベルに応じて「通常」から「最も強い」の5段階が設定できる。
リフレッシュレートの違いを体感するために、レースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイを使用したテストを行う。リフレッシュレート60Hz/120Hz/170Hzでそれぞれの違いを比較。テストではディスプレイ同期を有効化するとともに、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影した。
170Hzのオーバークロック駆動において、滑らかさは明らかに優位性を感じることができる。負荷がかかるオーバークロック動作でありながら、オーバーシュートやゴーストといった画質の乱れもなく安定した動作を実現している。MSIのハイエンドモデルに搭載されるRAPID IPSパネルと比較すると、応答性能や残像感の多さがやや目立つものの、WQHD解像度で27型と扱いやすく、120Hz以上の純粋な高リフレッシュレート環境を手軽に構築したいと考えるユーザーにとっては有力な選択肢になるだろう。