エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1225
2022.12.06 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
各種ベンチマークテストのセッションを終えたところで、高負荷時における「GeForce RTX 4080 VERTO EPIC-X ARGB」の挙動を見ていこう。オーバークロック仕様の最新ハイエンドGPUの発熱をどの程度抑え込めているだろうか。なお計測に際しては、負荷テストとして「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使用している。
GPU温度は60℃台半ばをキープする優秀なもので、GeForce RTX 4080の発熱を危なげなく処理している。しかもフルロード時のファン回転数は1,200rpm前後、稼働率にして35%ほどであり、まだまだ余裕たっぷりといった印象だ。通常より発熱が大きいであろうオーバークロック仕様のカードを完璧に冷やし切れている。
最後は「GeForce RTX 4080 VERTO EPIC-X ARGB」の消費電力をチェックしてテストセッションを締めくくろう。先ほど同様に負荷テストには「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使用し、その際の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時としてワットチェッカーによる計測を行った。
省電力モードで動作しているアイドル時は、74Wと控えめ。高負荷時も500W未満に収まっており、電源ユニットへの要求はそれほど大きくない。メーカーの推奨通り、750W以上の出力があれば事足りるだろう。
わずか一世代で長足の進歩を遂げた感のあるGeForce RTX 40シリーズ。そのハイエンドGPUであるGeForce RTX 4080もまた、多くのゲームタイトルを4Kで遊べるポテンシャルがあり、レイトレーシングを有効化したリッチな環境も無理なく選択できる。超解像技術の最新版DLSS 3の効きも圧倒的で、対応タイトルの拡大が進めば多くのシーンで数段上のゲーミング体験が可能だろう。
それでいて要求される電力は前世代に比べても控えめに収まるなど、ワットパフォーマンスにも配慮したバランスの良いGPUと言える。従来のシステム環境から据え置きでアップグレードを狙うユーザーにとっては、魅力的に感じる要素だ。
いきおい発熱もより少なめになっているわけだが、今回検証を行った「GeForce RTX 4080 VERTO EPIC-X ARGB」は、そこへ優秀なオリジナルクーラーを組み合わせることで、実動で最大2,800MHzに迫る高クロック動作を引き出している。8本ものヒートパイプを備えた重厚さ際立つ3連ファンクーラーによる恩恵で、オーバークロック仕様でも動作温度は低く抑えられていた。ハイパフォーマンスかつ安心して使えるGeForce RTX 4080グラフィックスカードを求める向きには、大いに検討に値する製品と言える。
協力:株式会社アスク