エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1226
2022.12.08 更新
文:編集部/撮影:pepe
それでは電源を入れて「PG42UQ」を動作させながら動画を交えてパフォーマンスをチェックしていく。検証用PCには、10コア20スレッドのIntel Core i9-10900KとGeForce RTX 3080を搭載したハイエンドPCを用意した。
まずは4Kの風景動画のほか「Apex Legends」「VALORANT」「フォートナイト」といったゲーム画面を見ながら映り具合の確認していく。
有機ELの特徴でもある自発光するピクセルで極めて忠実な黒を再現し、高いコントラストと遮光性で圧倒的な明暗差を実現している。液晶ディスプレイのバックライトによるローカルディミング制御で発生するようなハロー現象も起こりにくい。さらにパネル全体の均一性も高く、フレーム端で輝度やコントラストの低下を体感することはほとんど見られなかった。
視野角は、従来の液晶パネルとは比較にならないほど左右および上下方向の画質変化に強い印象。true 10-bitの最大約10億7,370万色と広範な色域で、従来の液晶ディスプレイとは別次元といってもいい色彩を表現している。パネル表面に特殊なコーティングを施し映り込みを大幅に低減する「ノングレア マイクロテクスチャ コーティング」の効果も大きい。これにより画面の映り込みがなく、より正確な色を表示することができている。ゲームはもちろん、TVの代わりにリビングに設置して、すべてをこれ一台で完結するのも良いだろう。
また、PS5やXbox Series Xといった最新コンシューマゲーム機では、HDMI 2.1ポートに接続する事でネイティブ4K/120Hzタイトルがプレイ可能。PCのゲームだけではなく、コンシューマゲーム機でもなめらかなゲームを楽しむことができる。もちろん、数多ある動画サービスとの相性が抜群なのはいうまでもない。
なお、動作時の消費電力をワットチェッカーで計測したところ、PC起動後10分間放置したアイドル時は54W、リフレッシュレートを最大の138Hzに設定したゲームプレイ時は91W、輝度をデフォルトの90から100に変更した時は96Wに微増した。
リフレッシュレートの違いを体感するために、レースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイを使用し、リフレッシュレート60Hz/120Hz/138Hzでそれぞれの違いを比較する。テストではディスプレイ同期を有効化するとともに、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影した。
電圧をかけて液晶分子の配列を変える液晶とは異なり、有機ELではピクセルに直接電圧かけて自発光させるため、中間階調応答速度(GTG)は公称値0.1msと圧倒的な早さを実現する。60Hzのリフレッシュレートにおいても残像感を確認することが難しい。
オーバークロックで実現する138Hzリフレッシュレートでも、オーバーシュートやゴースト、画質の破綻等は見受けられない。一見ハイエンドなゲーミング液晶ディスプレイと比較するとリフレッシュレートの上限は138Hzと控えめだが、極めて低残像でクリアな画質は非の打ち所がない完璧な描画を実現しているといえるだろう。
続いてディスプレイ同期を無効にすると、どのような影響がでるか見ていこう。リフレッシュレートを138Hzに固定した状態で、ディスプレイ同期を有効化するとともに、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影している。
ディスプレイ同期をOFFにすると、わずかではあるが画面が水平方向にせん断されたようなズレが発生するようになる。有機ELでも液晶ディスプレイ同様にティアリングが発生している。4Kともなれば、安定したFPSを維持するために相当なマシンパワーが要求されるが、OSDによるアスペクトコントロールを使い、プレイするタイトルに合わせて24、27、34インチと柔軟に対応するのもありだ。