エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1236
2023.01.01 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
ボトム面にも冷却ファンおよびラジエーターの設置が可能。本体内部にはボトムファンブラケットが2本のネジで固定され、これを取り外した状態で冷却ファンの増設作業を行う事ができる。搭載できるのは120mmファン最大3基で、140mmファンはサポートされていない。
直接冷却ファンを固定することになるボトムファンブラケットは、2本のネジでシャーシに固定。TUF Gaming GT502はフルモジュール設計がコンセプトだけに、多くの構成パーツが取り外せる |
搭載テストでは外気をPCケース内部に取り入れる吸気方向で冷却ファンを固定。長さ360mmにおよぶ大風量を直上のグラフィックスカードに当てる事が可能 |
ボトムファンブラケット部を見て、読者の中には疑問や気づき、または解せない部分があるだろう。これらをスッキリさせていくと、まずブラケットには140mm用と思われるスリットタイプのネジ穴があるのに、サポートから外れているのは何故か。実際に試してみると140mmファンは搭載できる。ただしATX規格マザーボードの下部とはかなり接近している。ここは多くのピンヘッダが並ぶ箇所とあって、ケーブルが冷却ファンに絡む可能性が高くなる。ASUSとしては推奨からは外す判断なのだろう。
さらに360mmサイズラジエーターのサポートが除外されているのは何故か。こちらもマザーボード下部とのクリアランスが十分に確保できていない理由によるもの。実際にASUS「TUF GAMING X670E-PLUS」を固定し、検証を試みたが、ピンヘッダ周りのケーブル類はもとより、マザーボードの最下部にあるPCIEX16_2(PCI Express 4.0×16スロット)が塞がれてしまった。「それでもいい」という意見もあろうが、メーカーが正式にサポートするレベルではなかった。
360mmサイズラジエーターにはASUS「ROG RYUJIN II 360」を使用。ちなみにラジエーター厚は27mm、冷却ファン厚は25mmだった |
付け加えると、冷却ファンを増設すると重量級で長モノグラフィックスカードを支える「グラフィックスカードホルダー」が使用できなくなる。ボトムファンブラケット部には色々な課題が隠されている |
マザーボードトレイ右手に位置するサイドファンブラケットには、120mmファン3基または120/240/360mmサイズラジエーターが搭載できる。搭載には出荷時より搭載済みの専用トレイを取り外し、ブラケットが枠の状態になったところで冷却ファンをネジで固定する。
サイドファンブラケットはマザーボードトレイより一段低い位置にあるため、冷却ファンのスペースは左エリア側を占有。右エリア側よりネジ留めを行う |
ネジ留めにはスリットタイプのネジ穴を利用。搭載ポジションは若干調節ができる |
出荷時よりサイドファンブラケット部に固定されている計3枚の専用トレイ。ストレージ固定用にも使用する万能トレイだ |
右エリア上部に装着されているのは、リアチャンバーファンブラケット。左右各2本の皿ネジでシャーシに固定されたブラケットには120mmファンが3基、または140mmファンが2基増設できる。またラジエーターは120/140/240/280/360mmサイズに対応する。
さてこのポジションへの冷却ファン増設はやや判断が難しい。搭載テストでは資料に合わせて外気を取り込む吸気方向で120mmファン3基を固定してみたが、右エリア室内に外気を大量に吹き付けるメリットは果たしてあるだろうか。マザーボードトレイに向けて直接風を当てる事は、必ずしも積極的な推奨方法ではないし、電源ユニットやストレージ向けとも思いにくい。構成により増設は自由だがやはりこのポジションは、ラジエーターを設置する場所と考える方が自然かもしれない。
なお、リアチャンバーファンブラケットは冷却ファンとラジエーターの固定に留まらず、ストレージを搭載する事もできるマルチな性格の持ち主。これについては、後ほど詳しく解説しよう。
リアチャンバーファンブラケットは4本のネジでシャーシに固定。冷却ファンまたはラジエーター固定は、一旦取り外して作業ができる |