エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1236
2023.01.01 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
底面のボトムファンブラケットも排他仕様で、3台分のストレージ搭載スペースとしても活用できる。ただし搭載できるのは2.5インチSSDなら最大3台、3.5インチHDDならフロント寄りの右端に1台となる。3.5インチHDDについて制限があるのは、中央または後方左端にもマウントはできるものの、マザーボードトレイとコネクタ間が約20mmしか確保できないため。とは言え、別途L字形のSATAケーブル等を用意すれば問題はクリアできそうだ。
右端はマザーボードトレイが無いため、3.5インチHDDの配線をストレスなく行うことができる。ちなみに2.5インチSSDとマザーボードトレイ間は約25mmが確保できている |
ボトムファンブラケット自体は2本のネジで固定されており、取り外した状態でストレージの組み込みは可能。作業は内部容積の制限なく行う事ができる。しかしここで問題が起きた。
右端が特等席の3.5インチHDDだが、コネクタをマザーボードトレイ側に向けて固定しようと試みたところ、ボトムファンブラケットの固定用ネジ穴に搭載テスト用HDDの一部が被さり、ネジ留めができない。ネジ穴の半分は露出しているものの、無理にでも工具を使う事はできなかった。専用トレイの使用するネジ穴は決まっているため回避の術がない。汎用性を高めるには、ネジ穴の位置を変更するなど、改良の余地がある。
丸く囲んだ部分がボトムファンブラケットの固定ネジ穴。やむなくコネクタを左サイドパネル側にして固定したところ、どうにかネジ穴の露出ができた。この辺りは設計自体の詰めの甘さと言わざるを得ない |
最後はリアチャンバーファンブラケット部の搭載スペースだ。右エリア上段の前後に橋渡される格好のブラケットには、2.5インチSSDまたは3.5インチHDDが最大3台まで搭載が可能。搭載方法は例によって、正方形の専用トレイを使用する。上下両端が90°に折り曲げられたコの字型のリアチャンバーファンブラケットは、コネクタが露出できるよう該当部分がカットされている。必ずコネクタが下向きになるよう、搭載方向は決められているというワケだ。
搭載テストでは両端に2.5インチSSD、中央に3.5インチHDDをマウント。作業は本体からリアチャンバーファンブラケットを完全に取り外した状態で行い、これをシャーシに戻せばいい。左エリアから搭載状態を確認すると、無駄な空きスペースなく一列にマウントできている事が分かる。
拡張スロットは全8段。各々が独立した拡張スロット金具はインチネジで固定され、ブラケット自体はパンチングメタル加工による通気孔仕様になっていた。なお製品にはVertical Graphics Card Mountが標準で付属し、グラフィックスカードの垂直マウントにも対応する。ただしライザーケーブルはオプション扱い。
最終の組み込みセッションで、実際にグラフィックスカードの垂直マウントを試してみたい |
電源ユニット搭載スペースは、右エリアの後方下部に割り当てられている。底面には電源ユニットを支える台座があり、右側面(マザーボードトレイ背面)には、金属同士が触れないように長方形のラバーが装着済み。固定は一般的なPCケース同様、背面からインチネジ4本でネジ留めを行う。ちなみに電源ユニットの有効スペースは公称で200mmまでとされている。
公称有効スペースは200mm。もう少し詳しく計測してみると、マザーボードトレイの段差が始まるプレスラインまでは約240mm、HDDブラケットまでは280mmだった |