エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1236
2023.01.01 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
タフなデザインの外装周り、それに見合う内部構造を知ったところで、ASUS「TUF Gaming GT502」をベースとしたPCを実際に組み込んでみよう。リリース記事に多くのアクセスを集めた製品だけに、組み込みセッションに興味を持つ人も多いだろう。筆者も例外ではなく、組み慣れたミドルタワーPCケースとの違いや、ボックス型PCケースならではのアドバンテージや欠点など、注意深くチェックしていこう。なおストレージの搭載方法は既に紹介済みなので、最終セッションでは割愛している。
まずはマザーボードを搭載してみよう。テストにはASUS「TUF GAMING X670E-PLUS」を用意した。AMD X670チップを搭載するRyzen 7000シリーズ向けマザーボードで、CPUの解禁に合わせて販売がスタート。外形寸法は305x244mmのATX規格で、TUF Gamingシリーズに属した高耐久性が特徴の1枚だ。なお組み込みは、予め装着済みのスタンドオフに、付属のネジ「Motherboard/2.5″Drive Screws」を使用する。
開口部が広く、作業自体はいたってスムーズ。ボトムパネルに接近している下部については、軸の長いドライバーを使うとより楽に作業を行う事ができそうだ。注目の周辺クリアランスは、天板までが約70mm、フロントパネルまでが約195mm、底面までは約35mmといったところ。冷却ファンやストレージの増設に対応する右方向は広くスペースが割かれていた。
マザーボードを搭載したところで、CPUクーラーの有効スペースを計測しよう。TUF Gaming GT502の有効スペースは高さ163mmまで。そこで従来通り、装着済みCPUの上にレーザー距離計を置き、強化ガラス製左サイドパネルの内側にシールを貼り付け、CPUとマーカー間の距離を計測した。
結果は162mm。メーカー公称値が163mmだから-1mmは誤差の範囲内。そもそもオールインワン型水冷ユニットをチョイスするなら気にならないが、サイドフロー型CPUクーラーを搭載する場合でも、中型以上の豊富な選択肢から製品を選別できるだろう。
次にマザーボードトレイ背面から、CPUクーラーメンテナンスホールの様子を見てみよう。カットアウト部を計測すると、最大部で幅約185mm、高さ約145mm。左下の一部が斜めにカットされているが、TUF GAMING X670E-PLUS備え付けのバックプレートはもちろん干渉しない。また、本来テストすべきはIntel LGA1700だろうが、高さ140mm以上は標準的なサイズだけに、CPUクーラー用マウントホールもきちんと露出できるはずだ。
次は右エリア後方下部に、電源ユニットを搭載してみる。搭載テストに使用したのは、奥行き150mmのATX規格。吸気ファンは右サイドパネル側に向け、背面から4本のインチネジでシャーシに固定する。見慣れたミドルタワーPCケースとは大きく異なるものの搭載方法に違いはなく、マニュアルいらずでマウントができるはずだ。
電源ユニットは背面から4本のインチネジ固定。電源ユニット下部には筐体を支える台と、マザーボードトレイ側には長方形のラバーが装着済 |
段差が始まるグロメット付きスルーホールまで実測240mmまでのスペースがあり、そこに奥行き150mmの電源ユニットを固定。空きスペースが広く確保できている事は一目瞭然だ |
豊富な搭載スペースからトップパネルをチョイス。TUF Gaming GT502に360mmサイズラジエーターを備えたオールインワン型水冷ユニット、「ROG RYUJIN II 360」を搭載してみよう。
開口部が広い上、強化ガラス採用のフロントパネル左側も取り外しができるとあって、普段なら扱いにくい長尺360mmラジエーター固定作業もスムーズに行う事ができた。ウォーターブロックも同様、周囲に気を遣いながらの作業も苦にならない。組み込みのし易さという観点から言えば、自作PCの経験が浅いライトユーザーにとって、多少取り回しのしにくさはあっても、大型PCケースの方が何かとメリットがある。ゆったりと組み込みを行いたいなら、意外にもボックス型PCケースのTUF Gaming GT502はオススメかもしれない。
フロントパネルが外れる点も組み込み作業に有利。つまり増設やメンテナンスもし易いというワケだ |
ラジエーター搭載作業は、トップパネルを外した状態で行うことができる |