エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1238
2023.01.04 更新
文:撮影・藤田 忠/編集・松枝 清顕(編集部) 池西 樹(編集部)
パフォーマンスに続いて、システム全体の消費電力を確認していこう。ストレステストには「3DMark Speed Way Stress Test」を使い、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時とした。消費電力は、ラトックのWi-Fi接続ワットチェッカー「RS-WFWATTCH1」で確認している。
アイドル時は省電力機能が効き、動作クロックや電圧が低下するほか、VGAクーラーのファンも停止するため、60W台にまで低下している。高負荷時の「GPU Power」(HWiNFO64 Pro)は、最高で269Wに留まり、システム全体の消費電力は351.2Wと低くなっている。GeForce RTX 3080 Tiを使った環境では、高負荷時480W程度になるため、約130Wも下がっている。GeForce RTX 3080 Tiを確実に上回る性能を持っているGeForce RTX 4070 Tiのワットパフォーマンスは優秀だ。
TGPが285Wに抑えられているGeForce RTX 4070 Tiだが、GPUの温度はどの程度で推移するのか確認していこう。なおストレステストは消費電力と同じ「3DMark Speed Way Stress Test」を使用し、GPUの温度やファンの回転数は「HWiNFO64 Pro」で計測をしている。
GPU温度は最高59.3℃、GPUホットスポット温度は最高69.9℃で、ファン回転数は出力端子側2基のファン1は、最低回転率となる30%~32%の1,100rpmで回転。リア側1基のファン2は、瞬間的に2,000rpm台まで上昇することはあるが、おおむねファン1と同じ1,100rpm程度で回転している。
今回の評価サンプル「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti 12GB AMP Extreme AIRO」では、3.5スロット占有の大型3連ファンクーラー「IceStorm 3.0」を使用しているが、正直GeForce RTX 4070 Tiにはややオーバースペックな印象。幸い、一部のメーカーからは2.5スロット厚のモデルも用意されているため、スペースを抑えたい場合はそちらの製品を選択するといいだろう。
GeForce RTX 4080からCUDAコア数が約8割、メモリ帯域幅が約7割に縮小しているGeForce RTX 4070 Ti。同じ価格帯に位置するGeForce RTX 3080 Tiからの性能向上は大きくないが、NVIDIA最新超解像技術のDLSS 3が効くゲームタイトルでは2倍以上フレームレートが向上するほか、100W以上も消費電力を抑えられると、魅力は十分ある。
GeForce RTX 3080/RTX 3080 Tiユーザーが、買い換えるメリットは小さいが、2023年ハイエンドグラフィックスカードを買うなら、GeForce RTX 4070 Tiは選択肢のひとつに挙げられる。さらに抑えられた消費電力や発熱でカード長の短いモデルの登場にも、期待ができるだろう。
協力:NVIDIA Corporation