エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1240
2023.01.09 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
レンダリング系のベンチマークが一段落したところで、Webサイトの閲覧やビデオチャット、オフィスアプリケーション、ゲームなど主にシングルスレッド性能が重要になる総合ベンチマーク「PCMark 10 Extended」の結果を確認していこう。
Ryzen 9 7900とCore i7-13700を比較すると、Gamingで約2%負けているものの、それ以外のテストはいずれもRyzen 9 7900のほうが優勢。特にDigital Content Creationでは約9%高いスコアで、Zen 4アーキテクチャを採用しているメリットが出ている。
またRyzen 5 7600はCore i5-13400に対してすべてのテストで上回り、総合スコアでは約13%と大きな差がついた。Core i5-13400では、Alder Lakeコアを使いながらEコアを増やすことで性能を底上げしているが、シングルコア性能が重要なテストでは、1世代前のコアがボトルネックになっている。
ここからは定番3Dベンチマーク「3DMark」の結果を確認していこう。まずはレイトレーシングを使用した「Port Royal」のスコアからチェックを進めていく。
「Port Royal」は、CPUに関連するテスト項目がなく、純粋にグラフィックスカードの性能がスコアに反映されるため、いずれのCPUでもスコアはほぼ横並びになった。
続いて、レイトレーシングやメッシュシェーダ、可変レートシェーディングなどの最新API DirectX 12Ultimateに対応する最新ベンチマーク「Speed Way」の結果を確認していこう。
「Port Royal」と同様、CPUに関連するテスト項目がない「Speed Way」だが、CPUコアが1世代古いCore i5-13400はその他のCPUに比べて約2%低いスコアになった。グラフィックスカードの影響が非常に高いと言われているベンチマークでもCPUによって差が出る可能性があることは覚えておこう。なおそれ以外の4種類のCPUについてはその差はいずれも1%未満で、誤差の範囲に収まっている。
続いてはAPIにDirectX 12を使用する「Time Spy」のスコアを確認していこう。ちなみに今回はハイエンドグラフィックスカードを使用しているため、プリセットは「Time Spy」と「Time Spy Extreme」を選択している。
グラフィック系のベンチマークながらマルチコアCPUへの最適化が進んでいる「Time Spy」。CPUのコア数が8コア以上の場合はPコア性能の影響が大きいようで、Ryzen 9 7900とCore i7-13700の比較では「Time Spy」がほぼ同等、「Time Spy Extreme」では約5%高いスコア。Ryzen 7 7700でも「Time Spy」で約2%、「Time Spy Extreme」ではその差は1%未満で、ほぼ同等の性能が期待できる。また今回のCPUの中で唯一8コアに満たないRyzen 5 7600は、その他のCPUに比べてやや低調な結果になった。
APIにDirect X11を使用する「Fire Strike」のスコアもチェックしていこう。こちらもハイエンドグラフィックスカードを使用しているため、「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」の3種類のプリセットを選択した。
4K解像度の「Fire Strike Ultra」では、GPUへの負荷が高いためRyzen 7000シリーズの3モデルのスコアは横並び。ただし、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」や、フルHD解像度の「Fire Strike」では、Ryzen 9 7900、Ryzen 7 7700、Ryzen 5 7600の順に並ぶ順当な結果になった。またCore i7-13700との比較では、Ryzen 9 7900だけでなく、Ryzen 7 7700でも同等以上のパフォーマンスを発揮。さらにRyzen 5 7600とCore i5-13400では「Fire Strike」で約20%、最も差の小さい「Fire Strike Ultra」でも約3%上回る。