エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1243
2023.01.18 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
NVMe M.2 SSDのサーマルスロットリングを防ぐための装備である、M.2ヒートシンクの効果も合わせてチェックしておきたい。高速ながら発熱の大きいNVMe M.2 SSDにとっては必須と言える装備だが、「B760M-SILVER」には最上段のスロットにシルバーカラーの専用ヒートシンクを標準で備えている。
検証にあたっては、PCI Express 4.0(x4)に対応するCFD「PG4VNZ」シリーズの1TBモデル「CSSD-M2M1TPG4VNZ」を用意。「CrystalDiskMark 8.0.4」のデータサイズを64GiB、テスト回数5回に設定し、3回連続でベンチマークを実行している。
シーケンシャル読込と同書込は、ほぼ公称スペック通りの数値が出ている。データサイズが大きいためランダム性能には影響があるものの、パフォーマンスを左右するほどのサーマルスロットリングが発生するまでには至っていない。ここまで大きなデータを読み書きすることは稀なため、一般的にNVMe M.2 SSDを運用する上では、まったく不安のない放熱性能と言える。
サーモグラフィーでM.2ヒートシンクをチェックすると、ベンチマーク時(右)には表面温度が最大で約44℃に達していた |
廉価チップセットを搭載するエントリー~ミドル級のマザーボードが登場し、第13世代Inte Coreプロセッサベースの自作はより身近なものになった。数ある製品の中には1万円台のモデルも存在し、しばらくユーザーを悩ませてきた「マザーボード高すぎ問題」も解決に向かっている。
しかし最新CPUはこれまで以上に電源回路への要求が高くなっており、その性能を引き出すためには相応の備えが必要。安価なマザーボードであればあるほど電源周りの構成は限定的なため、組み合わせるCPUのチョイスには慎重にならざるを得ない。
その点で「B760M-SILVER」は、Intel B760マザーボードの中ではお買い得な部類でありつつ、同価格帯では抜きん出て堅実な電源回路と放熱機構を備えている。検証の結果が示している通り、無制限のPower Limit設定でもハイエンドCPUを不安なく動作させていた。
2.5ギガビットLANやモジュール増設で対応可能なWi-Fi機能、十分な性能をもったM.2ヒートシンク、ハイエンドICによるオーディオ回路など、その他の機能も申し分のない構成。MicroATXマザーボードである制限も感じさせない、コストパフォーマンスの高さが光る注目モデルだ。
協力:株式会社アユート