エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1252
2023.02.06 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:pepe
型落ちの電源ユニットとオプション12VHPWRケーブル、そして最新グラフィックスカードを組み合わせた環境では、はたして問題なく動作するだろうか? |
続いては、長く同じ電源ユニットを使い続けているシチュエーションを想定し、約7年ほど前に発売された「RMx」シリーズの850Wモデル「RM850x」を用意。最新のミドルハイGPUを搭載したZOTAC「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti 12GB AMP Extreme AIRO」とオプション12VHPWRケーブルを組み合わせ、問題なく動作するかを見ていこう。
「OCCT 11.0.20」をGeForce RTX 4090(+「HX1500i 2022」)と同条件で動かしてみたところ、12V基準での下振れはわずか1.4%程度。多少の変動はありつつも、フルロード時は11.83~11.86Vで動作しており、グラフの波形もフラットで極めて安定している。
続いて最もグラフ変動が大きかった「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」の公式ベンチマークを(やはり同条件で)動かした際の挙動もチェックしておきたい。その結果は最も下ぶれた場合も11.85Vに留まり、変動幅はわずか1.3%程度。規格上の許容範囲を余裕でクリアする安定動作を示していた。不規則な負荷がかかるゲームプレイ時においても、優れた信頼性が期待できる。
サーモグラフィをチェックしたところ、検証カードはクーラーの風がコネクタに当たる構造のため、高負荷時(右)もアイドル時(左)とほぼ変わらない温度で推移していた |
昨今はメインストリーム向け電源ユニットでも10年保証の製品が珍しくなくなり、「いい電源を長く使いたい」と考えている人は多いはずだ。それだけに、GeForce RTX 40シリーズに変換なしで給電できる(12VHPWRコネクタ搭載の)最新モデルに魅力を感じつつも、手持ちの電源ユニットを使い続ける選択に落ち着くのも自然なこと。特に今回検証に使用した「HX1500i 2022」のような、高性能モデルを所有している場合はなおさらだろう。
そうした向きに、既存の電源ユニットで使用できる「PCIe Gen5 12VHPWR cable」のようなオプション12VHPWRケーブルは、まさにうってつけの選択肢。検証の際の動作や発熱にも不安はなく、ほんの少しのコストでネイティブ対応の電源ユニットと同様の運用が可能だった。
実際に店頭での売れ行きは好調で、ショップによれば「同じオプション12VHPWRケーブルの中でも『PCIe Gen5 12VHPWR cable』が断トツに売れている」とのこと。もちろんケーブルのモジュラーコネクタはメーカーごとに異なるため、それだけCORSAIR製電源ユニットの所有者自体が多いということなのだろう。
今回は比較的新しい「HX1500i 2022」だけでなく、約7年落ちの旧モデルでも検証を行ったが、元気に動いている電源(かつ十分な容量)であれば組み合わせに不安がないことも分かった。GeForce RTX 40シリーズにケーブル1本でスッキリ給電したいという向きには、ぜひオプションケーブルを組み合わせた手持ち電源の有効活用も検討してみよう。
協力:CORSAIR