エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1253
2023.02.08 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
【PCMark10:Full System Drive Benchmark】 |
Socket AM5環境でもPCI Express 4.0(x4)接続のSSDからかなり高速化されていた「PCMark10:Full System Drive Benchmark」だが、LGA1700環境ではBandwidthは約15%向上、Average access timeは約13%削減されている。さらに総合スコアも約14%向上しており、LGA1700の環境でもPCI Express 5.0(x4)接続のSSDを使用するメリットは大きい。
【3DMark:Storage Benchmark】 |
Socket AM5環境に比べると若干総合スコアは向上しているが、その差は約3%とごくわずか。個別のスコアを確認すると、Average access timeについては誤差の範囲。ゲーム系のBandwidthではLGA1700環境のほうが有利だが、Move gameではSocket AM5が有利といった感じで、プラットフォーム間で大きな違いを感じることはないだろう。
【ATTO Disk Benchmark 4.01】 |
読込最高9.38GB/s、書込最高9.54GB/secで、「ATTO Disk Benchmark 4.01」の傾向はSocket AM5環境とほぼ同じ。書込については128KB以降、ほとんどグラフにぶれもなく、常に安定したパフォーマンスが期待できる。
発熱の大きいPCI Express 5.0(x4)コントローラを確実に冷やすため、ファン付きヒートシンクを標準装備している「PG5NFZ」シリーズ。テストセッションのラストはその冷却性能を確認していこう。負荷テストは「CrystalDiskMark 8.0.4」をデータサイズ64GiB、テスト回数9回にして、3回連続でテストを実施。計測はSocket AM5の環境で行い、サーモグラフィの撮影のためグラフィックスカードは取り外した状態で行っている。
SSDベンチマークの中でも非常に負荷の高いテストだが、SSDの温度は最高でも64℃で頭打ちになり冷却性能は優秀。メーカー担当者の言う通り、側面ホールから風が抜ける影響もなく、しっかりとコントローラを冷やすことができている。また冷却ファンが搭載されているため、テストが終了すると一気に温度が低下するのもファンを搭載しているメリットだろう。
なお騒音値(30cm離れたところからデジタル騒音計アズワン「TM-103」で計測)は、高周波対策をしているものの、回転数が21,000rpmと高速なため42.7dBAとやや大きめ。静音性を重視したPCではやや耳障りに感じることあるかもしれない。
アイドル時のサーモグラフィ結果 | 高負荷時のサーモグラフィ結果 |
そしてサーモグラフィの結果を確認すると、ヒートシンク越しでもコントローラのある画面右側の温度が高くなっていることがわかる。また高負荷時にはヒートシンク全体の温度が上昇しており、効率よく放熱ができているようだ。
2019年に登場したPCI Express4.0(x4)対応SSD CFD「PG3VNF」シリーズ以来、約2年半ぶりに接続インターフェイスが更新された「PG5NFZ」シリーズ。最高10GB/sを超えるシーケンシャルアクセスに注目が集まるのは当然だが、ランダムアクセスも軒並み向上しており、実ゲームのベンチマーク「3DMark」や、実アプリケーションのベンチマーク「PCMark 10」でもPCI Express 4.0(x4)対応SSDから大幅にスコアが上昇している。
そして初物ながらファームウェアの最適化も進んでいるようで、データサイズによる性能差はほとんどなし。さらにAMD、Intelいずれの環境でも十分な性能を発揮し、PCI Express 5.0に対応していればプラットフォームを選ばないのも大きなメリットといえる。
高速化により発熱も増加しているがファン付きのヒートシンクを組み合わせることで、冷却面にも不安はなし。ややノイズが大きいのはデメリットだが、このクラスの製品を導入するパフォーマンスを重視するユーザーにとっては大きな問題にはならないだろう。ただし、当面の間は部材の関係で供給量は少なくなるということなので、購入を検討している人は見つけたら即購入しておく必要がありそうだ。
協力:CFD販売株式会社