エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1255
2023.02.16 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
今回お届けするのは、サイドフロー型空冷クーラーID-COOLING「SE-224-XTS」だ。これは2020年5月27日より出荷が開始された「SE-224-XT」の直系で、後にRoHS指令準拠(10物質)による型番変更で2021年7月7日より「SE-224-XTA」に進化。さらに2021年11月4日出荷分より同梱リテンションがLGA1700対応になり、ヒット作として自作派には認知されている。
冒頭でも触れたように、その後継モデルにして対応TDPが強化されているとなれば、取り上げない手は無い。ライバルモデルが最も多いこのスタイルだけに、エルミタ的にもキチンとその立ち位置を検証で見極め、評価する必要があるだろう。
ID-COOLING「SE-224-XTS」 市場想定売価税込3,980~4,480円(2023年2月1日出荷開始) 製品情報(株式会社アイネックス) |
製品の詳細を知る前に、ID-COOLINGブランドについて少し理解を深めておきたい。メーカーサイトの問い合わせ情報(Contact US)記載によると、製造はShenzhen Wanjinghua Technology Co., Ltd.(所在地:中国深セン)、発売元はShenzhen Buyeasy Co., Ltd.(所在地:中国深セン)とされている。
これまでの自作PC市場といえば、製造は中国でもメーカーやブランド(または企画・設計)は台湾または欧州というパターンが大半を占めていた。しかし近頃では中国に本拠地を置くメーカーが増え、軒並み洗練されたパッケージおよび高い工作精度により、実力と人気を兼ね備えた製品が増えている。ことID-COOLINGは、PC業界に精通したSTAFF数名により、COMPUTEX TAIPEI 2013で正式にブランドデビュー。エルミタではCOMPUTEX TAIPEI 2014の取材で”聞き慣れない「ID-COOLING」というブランド”として、Mini-ITXケースのプロトタイプを紹介している。
次にSE-224-XTSをスペック表から読み解いていく。冷却タイプはサイドフロー型で、搭載ファンは120mm(25mm厚)のシングル。後に紹介する同梱品の中にはデュアルファンで運用できる、増設用ファンクリップが付属している。
放熱フィンはアルミニウム製で、4本のヒートパイプで構成。受熱ベースプレートについて、スペック表に記載がなく、実機で詳しく確認してみよう。なお、冷却ファンを搭載した状態での外形寸法は、幅120mm、奥行き75mm、高さ151mmで、全重量は650gとされる。対応CPUはIntel LGA1700/1200/115x、AMD Socket AM5/AM4で、当然ながら最新プラットフォームをカバーし、対応TDPは公称220Wとされている。
最後に外装パッケージサイズは、実測で幅約155mm、奥行き約115mm、高さ約175mm。内部緩衝材にウレタンクッションが使用されているものの、その他は基本紙パッケージを採用。ブラックを基調としつつ、帯にオレンジを使うあたりはなかなか洗練されている。ちなみに背面には製品の基本情報が記されており、これを英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・ポルトガル語・ロシア語・日本語・韓国語・中国語の計9カ国語で表記。SE-224-XTSが主要国の自作PCマーケットをターゲットにしている事が分かる。