エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1255
2023.02.16 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
非接触型デジタル温度計によるヒートシンクのポイント別温度と、サーモグラフィの結果もチェックしておこう。CPUはCore i7-13700Kで、「CPU Cooler Type」は「120~140mm Liquid Cooler」に設定し、ストレステストは「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」を使用している。
高負荷時のポイント別温度計測結果 |
ポイント別温度を確認するとベースプレート上部が40.1℃で最も高く、CPUからの距離が離れるに従って温度が低くなる順当な結果になった。
アイドル時のサーモグラフィ結果 | 高負荷時のサーモグラフィ結果 |
またサーモグラフィの結果を確認すると、高負荷時はヒートパイプの温度が明らかに上昇している事を示している。ヒートパイプ本来の役割である、CPUからの熱を吸い上げている様子がハッキリと見て取れる。
現在の空冷クーラーの中で、最もライバルが多いこのスタイルは、冷却性能がかなり拮抗している。この混戦から抜け出す最も近道はコストパフォーマンスになるだろう。しかしそれだけではつまらない。多少価格は高くても、システムに必要な冷却性能があり、外観もそこそこ、所有欲もほどよく満たしてくれる、そんな製品を筆者は選びたい。
ではID-COOLING「SE-224-XTS」はどうか。現在の自作PC市場の平均的な考え方としては、ハイエンドから超ハイエンドクラスの冷却には、水冷クーラーが最も多く選択されているだろう。ではサイドフロー型空冷クーラーの”このスタイル”はと言えば、実は最もユーザーが多いミドルレンジをほぼ全てフォローする、各メーカーが最重要視する存在。そのど真ん中にあって、SE-224-XTSはCore i7-13700K(Power Limit/180W)をきちんと冷却し、Ryzen 7 7700では冷却性能と静音性のバランスの良さを見せた。
依然としてダイレクトタッチ式ヒートパイプに対し、否定的な意見も見聞きするが、SE-224-XTSの検証結果からはそれを読み取れる材料はない。ここは素直に”効果アリ”としよう。
前作「SE-224-XTA」から継承するオレンジ&ブラックのパッケージデザインも洗練されており、悪くない。冷却機器としての役割も十分だし、製品の守備範囲をきちんと把握した上でSE-224-XTSをチョイスすれば、間違いはないだろう。
協力:株式会社アイネックス