エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1255
2023.02.16 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
CPUと直接接触し、熱を吸い上げる受熱ベース。素材はアルミニウム製で、表面には腐食防止加工が施されている。そして重要な構成パーツのひとつであるヒートパイプは銅製で、φ6mmを4本使用。受熱ベースプレートに埋め込まれる格好で研磨されたダイレクトタッチ式が採用されている。
以前よりこの手法には賛否があるものの、SE-224-XTSでは放熱フィンへ熱を素早く移動させるための手段として、最善の方法と解釈したようだ。ヒートパイプと受熱ベースの密着率および接着精度が冷却性能を左右する重要なポイントだが、これを見た目で判断するのは現実的に難しい。理屈でモノを言うより、最終セッションでの冷却性能テスト結果が全てだろう。
なおダイレクトタッチ式ヒートパイプが埋め込まれた受熱ベースプレートは、実測で縦横共に38mmの正方形。ここに組み合わされるブリッジ式のリテンション金具は予めネジで固定されていた。
受熱ベースプレートは約38mm四方の正方形。埋め込まれた4本の銅製ヒートパイプが表面研磨により、フラットな状態に作り上げられている様子が分かる |
真横から観察したヒートパイプレイアウトの様子。放熱フィンに対し、どのあたりで貫通させているかがよく分かる。なお受熱ベースプレート上部から放熱フィン最下部までの距離は約24mmだった |
4本のヒートパイプは片側にズレるカタチでヒートシンクに貫通。中央からオフセットする事で、メモリスロットへの張り出しを抑えているというワケだ |
2本のタッピングスクリューで固定されたプラスチック製トップカバーを外した状態。ヒートパイプの先端と末端が交互に配管させている様子が分かる |
標準装備される冷却ファンは120mm径で25mm厚の「TF-12025-PRO」。回転数は600rpm±200~1,500rpm±10%のPWM対応で、騒音値は最大で28.9dBA、風量は最大70.0CFM、静圧は最大2.15mmH2Oとされる。
フレームはリブ無しで、軸受けにはHydraulicベアリングを採用。ケーブル長は約30cmで、ここまでがメーカー公称値だ。言うまでもなく、特に騒音値はヒートシンクに装着し、実際に動作させた状態ではときに音の質や聞こえ方も変わり、単体動作との印象はだいぶ異なる事がある。さらに公称値はあくまで単独での数値だけに、実稼動時で耳に聞こえてくる数値はテストセッションで計測してみることにしよう。
なおブレード数は9枚で、比較的オーソドックスな羽形状。型番が記載されたラベル面のフレームは、フィン形状デザインで、風のコントロールを行う整流効果が想定されてのものだろう。
多くの製品同様、冷却ファンはヒートシンクに対してワイヤークリップ留め。背面にも固定すればデュアルファン仕様での運用にも対応する |