エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1263
2023.03.09 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:pepe
無線LANルーターを選択する上で、転送速度と同じく重要な要素になる電波強度も確認しておこう。今回できる限りルーターからの距離を稼ぐため敢えて「リビング」の一番端にルーターを設置し、「リビング」のほぼ中央、その隣にある「和室」、「和室」からウォークインクローゼットを挟んだところにある「洋室1」、そしてその向かいにある最も遠い「洋室2」の計4ヶ所で測定を実施した。
鉄筋コンクリートのマンションという無線LANには厳しい条件だが、最も近い「リビング」やその横にある「和室」ではいずれの接続でも電波強度に問題なし。実際にWebブラウザでの閲覧も快適に行うことができた。また「洋室1」では5GHz-Lの電波強度が-80dBmまで低下して接続はやや不安定になるものの、5GHz-Hや2.4GHzでは問題なし。さらに2.4GHzなら「洋室2」でも電波強度は-76dBmを維持することができていた。
今回の検証を見る限り、5GHz-Hや2.4GHzでは2部屋までは十分電波を届けることができることから、家の中心に設置すれば、鉄筋コンクリートのマンションでも電波強度が不足することはないだろう。
最後に、2台のPCでYouTubeの動画を再生しつつ、40GBのデータをコピーした際のサーモグラフィーの結果を確認しておこう。
表面のサーモグラフィー結果 | 裏面のサーモグラフィー結果 |
まず表面の温度を確認すると、ちょうどサイドにあるスリット部分の温度が最も高くなっており、内部の熱が自然対流によって効率よく排出されている。また裏面を確認すると、ヒートシンク全体の温度が上昇し、CPUの熱をヒートシンク全体で効率よく放熱している様子が確認できる。
「TGS2022」での初披露から約5ヶ月、まさに満を持しての投入になったMSI初のゲーミングルーター「RadiX AX6600」を検証してきた。Wi-Fi 6ルーターでは珍しいトライバンドに対応し、最も高速な5GHz-HならギガビットLANと比較しても遜色無いパフォーマンスを発揮。さらに有線ポートとして2.5ギガビットWAN/LANを搭載しているため、無線LAN環境だけでなく、有線LAN環境も大幅に高速化することができる。
メッシュ機能に対応していないのはやや残念だが、6本の大型アンテナのお陰で電波強度も優秀で、設置場所を家の中心にすれば鉄筋コンクリートのマンションでも電波を隅々まで届けることができるだろう。そしてルーターでは初というヒートパイプを備えた大型ヒートシンクによる高い冷却性能と安定した動作も評価できるポイントだ。
さらに初心者にもわかりやすいプリセットによる設定や洗練された設定画面、そして細かいチューニングを施したいベテランユーザーも納得の詳細設定や豊富な機能など、ソフト面の完成度も高い「RadiX AX6600」は、無線・有線に関係なくネットワーク環境を高速化したいという幅広いユーザーにオススメできる製品だ。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社