エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1264
2023.03.12 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
ヒートシンクについてもう少し掘り下げると、銅製(ニッケルめっき処理済み)受熱ベースプレートは実測で40×40.5mmの僅かに長方形で、左右側面には「NM-AFB10 fastening brackets」がネジ留めされていた。基本的にNH-L9a-AM5はSocket AM5専用につき、これを取り外す必要はない。
そしてNoctuaのロゴがレーザー加工された枠を取り外すと、ヒートシンクの全貌が露わになる。そして特筆すべきは高さ約23mmに2本の銅製ヒートパイプが使われている点だろう。左右にUの字型でレイアウトされたヒートパイプは、受熱ベース部から吸い上げたCPUの熱を、小さいながらも67枚で構成されたアルミニウム製放熱フィン全体に素早く行き渡らせようという考え。ジョイント部分にははんだが使用されており、この工作精度がCPUクーラーの冷却能力を大きく左右すると言われている。
金属製の枠を外した状態で、ヒートシンク側面を観察。ヒートパイプのレイアウトがよく分かる |
NH-L9a-AM5に搭載される冷却ファンは「NF-A9x14 HS-PWM」で、カタログモデルとしては「NF-A9x14 HS-PWM chromax.black.swap」が該当し、これにNoctuaカラーを施した格好。サイズは92mmで、厚さは14mmとされる。
金属製の枠にネジ留めされた「NF-A9x14 HS-PWM」 |
主なスペックは、回転数が600@20% PWM(±20%)~2,500rpm±10%で、騒音値は最大23.6dBA、風量は最大57.5m3/h。また製品には接続するだけで回転数および騒音値が抑えられる「NA-RC7」ローノイズアダプタ(LNA)が付属し、これを介する事で回転数は最大1,800rpm±10%、騒音値は最大14.8dBAになる。ただし回転数を落とすことで、冷却能力は低下する事は避けられない。ロープロファイル型CPUクーラーだけに、使用するCPUのスペックに合わせて使用を検討したい。ちなみに本稿テストセッションでは敢えて「NA-RC7」は使用していない。理由はローノイズアダプタはあくまで任意であり、使用環境にも左右されるため、ユーザー自身で見極めを行って欲しい。
NF-A9x14 HS-PWMは、9枚のブレードで構成。軸受けはNoctuaファンが多く採用するSSO2で、「自己安定型油圧ベアリング」と訳されるもの。構造は流体軸受の派生形で、MTTFは15万時間と表記されている |
ヒートシンク側に隠れるラベル面。ここには製品型番と入力電力2.52W、入力電流0.21A、電力は2.52Wである事が分かる |