エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1265
2023.03.15 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:pepe
ここからは実際のゲームプレイに近い負荷を再現するため、長時間のループ実行に対応した「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」の公式ベンチマークテストを実行。グラフィックス設定を「最高品質」、解像度は3,840×2,160ドットという最大限の負荷がかかるように設定し、30分間連続で動作させている。
ベンチマーク実行時の消費電力は4割負荷に届かない最大389W。今回の検証では最も軽い負荷だったが、「OCCT」のような非現実的な負荷に比べれば、より現実に即した動作環境と言える。
ロード画面が度々挟まるテストとあって、他のテストに比べてグラフの波形が乱れて見える。ただしATX電源とCPU補助電源はフルロード時の振れ幅自体がほとんどなく、全体的な変動もATX電源で0.7%以下、CPU補助電源は0.5%に留まった。グラフィックス面での要求が大きいため、12VHPWRの変動が忙しいものの、全体の変動幅は最大1%。規格上許容される7%の下振れには余裕で収まっている。
最後は同じく長時間のループ実行に対応したゲーム系ベンチマークテストから、より負荷の大きな「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」の公式ベンチマークをチョイス。グラフィックス設定は「高品質」をベースに最も負荷がかかるように項目を選択、3,840×2,160ドットの解像度にて、これまで同様に30分間連続で動作させている。
なお、消費電力は「OCCT」に次ぐ規模の最大547Wまで上昇。Ryzen 9 7950XとGeForce RTX 4080を搭載したシステムにとっては、負荷率50%台の理想に近い環境で動作していた。
電圧変動の傾向としては「3DMark」に似ており、フルロード時の振れ幅が極めて小さい点は好印象。最大の変動幅もATX電源で0.7%以下、CPU補助電源が0.5%に収まっていた。ロードがほぼ発生しないため、グラフィックス用の12VHPWRも振れ幅は小さく、最大変動も1%。規格上の変動幅に比べてかなりの余裕があり、厳格な電圧レギュレーションが設定されていることが窺える。
「TUF Gaming」シリーズのコンセプトを地でいくように、「TUF Gaming 1000W Gold」の電源ユニットとしての特性はシンプルだ。セミファンレスのような定番のオプション機能すらなく、ギミック的な要素は希薄。しかしミリタリーグレードの「TUF コンポーネント」やコンフォーマルコーティングが施されたPCBの採用など、その品質には徹底的なこだわりが光る。各種ストレステストにおける挙動からも、その安定性の高さをうかがい知ることができた。
そして電源ユニットとしてはシンプルに信頼性を追求する一方で、優れたデザイン性による個性的な外観のような、魅せる要素を備えた製品である点も大きな特徴。特にケーブルが標準でスリーブ化されているのは同価格帯では珍しく、魅せ方にこだわるゲーミングマシンを組もうという向きには注目の選択肢。ATX 3.0対応電源の中では、価格的に中堅どころといったところだが、どうやら思った以上にお買い得感の高い製品のようだ。
協力:ASUS JAPAN株式会社