エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1266
2023.03.17 更新
文:編集部/撮影:pepe
グラフィックスカードは、NVIDIA「Ampere」を採用するアッパーミドル向けGPU「GeForce RTX 3070」を搭載する。発売から2年以上が経つロングセラーGPUで、今でもパーツショップの店頭には多数の製品が並ぶ売れ筋モデル。今回借り受けた評価機には「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3070 Twin Edge LHR」が搭載されていた(カスタマイズ時のメーカー指定不可)。
なお、カスタマイズメニューによると、下はGeForce RTX 3050から上はGeForce RTX 3080まで。Radeonも含め合計27モデルという豊富なラインナップからチョイスできる。中にはASUSやMSIなどモデル指定ができるものもあった。
PCケースやマザーボードのみならず、これに負けじと搭載メモリも自己主張が強い。標準で装備されるのは、アーク厳選のオーバークロックメモリ「Kingston FURY Beast DDR5 RGB」だ。高さ42mmのRGB LED内蔵アルミ製ヒートスプレッダを装着し、PCケース内部をイルミネーションで演出する。なおアークでは、オーバークロックメモリをXMPではなくSPD設定(非オーバークロック)にて動作検証。SPD設定にて出荷される。
カスタマイズ項目を確認すると、さすがメモリに強いアークとあってこだわりかつ多彩なラインナップ。容量は16GB(8GBx2枚)から64GB(32GBx2枚)まで、メーカーはArk SelectionとなるSamsung/SKhynix純正、お馴染みのSanMaxブランド、人気のCrucial、ADATAなど、執筆時点で15種類(標準装備品除く)からチョイスができる。
標準装備品はKingston FURY Beast DDR5 RGB DDR5-5600 CL36 1.25Volt(型番:KF556C36BBEAK2-32)。高さ42mmのアルミニウム製ヒートスプレッダが装着されている |
arkhive CREATOR Limited CL-A7G37Rには、標準で2枚のSSDが装着されている。ここでは各々を個別に確認してみよう。
まずOS用として搭載されているのが、Samsung PM9A1シリーズの容量512GBモデル(型番:MZVL2512HCJQ-00B00)。PCI Express 4.0(x4)対応で、コントローラーにSamsung Elpis、NANDフラッシュにSamsung 3D V-NAND – 3bit MLC(TLC)を実装。読込速度はシーケンシャル最大6,900MB/s、ランダム最大800,000IOPS。書込速度はシーケンシャル最大5,000MB/s、ランダム最大800,000IOPSとされる。
カスタマイズはKingston NV2シリーズからWestern Digital – BLUE、Crucial、Samsungなど500GBから4TBまで計55種類(標準装備品除く)からチョイスができる。
OS用Samsung PM9A1シリーズ512GB(型番:MZVL2512HCJQ-00B00) |
追加ストレージはデータ用の位置付けで、KIOXIA EXCERIA G2シリーズの容量1TBモデル(型番:SSD-CK1.0N3G2/J)を搭載。PCI Express 3.0(x4)対応で、NANDフラッシュにKIOXIA 3D TLC NANDを実装。読込速度はシーケンシャル最大2,100MB/s、書込速度はシーケンシャル最大1,700MB/sとされる。
カスタマイズはWestern Digital – REDからSeagate FireCuda 530など500GBから4TBまで計56種類(標準装備品除く)からチョイスができる。
KIOXIA EXCERIA G2シリーズ1TB(型番:SSD-CK1.0N3G2/J) |
電源ユニットはSilverStone「DA750 Gold」シリーズの750Wモデル(型番:SST-DA750-G)が搭載されていた。冷却には騒音値最小18dBAの120mmファンを内蔵。80PLUS GOLD認証の高効率モデルとあって、奥行き140mmのコンパクトなボディに収める事ができている。容量750Wは標準システム構成には十分というアークの判断。カスタマイズでよりハイパフォーマンスに仕上げるなら、80PLUS TITANIUM認証の1,000W電源ユニット、Antec「Signature」シリーズ等に変更ができる。
なおベース筐体となるPop Air RGB Orange Core TG Clear Tintの電源ユニット有効スペースは、メーカー公称値で奥行き170mmまで。カスタマイズ項目にはハイエンド志向の製品が並ぶものの、ここはアークの熟練STAFFによる手作業に委ね、ボディサイズを気にする事無く選択すればいい。
電源ユニットのカスタマイズも実に多彩。26機種(標準装備品除く)からシステムに見合った製品が選択可能 |
各社オリジナルブランドPCを比較するにあたり、いわゆる”ケーブルマネジメントの出来映え”も気になるところ。それは組み込みSTAFFの腕の見せどころであり、時に購買意欲を押し上げる要素にもなり得るだろう。
arkhive CREATOR Limited CL-A7G37Rはケーブルマネジメント機構に定評のFractal Design製筐体を採用するだけあって、これを上手く活用した裏配線処理が確認できる。Fractalロゴ入り面ファスナーで主要なケーブルを束ね、各々構成パーツへケーブルが伸びていく。
Pop Air RGB Orange Core TG Clear Tintの裏配線スペースは公称19mmとされている |
さらに裏配線ならぬ”表配線”にも着目すると、開口部の広いスルーホールを効果的に利用し、極力ケーブルの露出を無くす配慮が見て取れる。ケーブルマネジメントと言えば裏配線が主役のように思われるが、左サイドパネル強化ガラスを採用するPCなら、表配線に注目ポイントを移さなければならない。
裏配線だけでなく、”表配線”こそ重要。無駄のない配線には、arkhiveのテクニックが色濃く反映されている |