エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1266
2023.03.17 更新
文:編集部/撮影:pepe
ゲーム系ベンチマークのラストは、軽快な動作が人気のバトルロイヤルゲーム「VALORANT」のパフォーマンスを確認しておこう。こちらも画質はできる限り高品質になるように設定し、解像度は1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットの3種類。フレームレートの制限は解除し、計測には「CapFrameX」を使用した。
CPU内蔵グラフィックでもある程度のフレームレートが期待できる軽いゲームと言うことで、4K解像度で262.4fps、フルHD解像度では684.7fpsを記録した。どの解像度でも現行最速のディスプレイと組み合わせてもその能力を存分に引き出すことができる。
ゲーム系のベンチマークが一段落したところで、ここからはクリエイティブ向けベンチマークをチェックしていこう。まずは3Dモデリングソフト「Blender」のレンダリング性能を計測する「Blender Benchmark 3.3.0」のスコアを確認する。なおレンダリングにはCPUを選択し、サンプルは「monster」「junkshop」「classroom」を使用している。
比較的テストに時間が掛かるベンチマークだが、いずれのプリセットでも360mmラジエーターの水冷ユニット使用していたRyzen 7 7700Xのスコアと大きな差はないことから、空冷クーラーでもサーマルスロットリングによる速度低下の心配はないようだ。
続いて、Lightroom 11.4.1で50枚のRAWデータをJPEGに書き出した際の処理時間を確認してみた。
すべての処理が完了するのにかかった時間はわずか23秒。1枚当たり0.5秒もかからない計算で、大量のRAWデータを処理する場合でもストレスなく作業を行うことができる。
主要なベンチマークが一段落したところで、「arkhive CREATOR Limited CL-A7G37R」の冷却性能と静音性をチェックしていこう。ストレステストはCPUが「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」、GPUが「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使用し、高負荷時のノイズレベルはテスト中最も高かった数値を採用している。
テスト中の温度はCPUが許容する最高温度である95℃に張り付いていた。ただし、動作クロックは常に5GHz前後を維持しており、サーマルスロットリングによる速度低下もない。このことから冷却性能が不足しているわけではなく、ブースト機能によってCPUの性能を最大限に引き出すことができているようだ。
続いてGPUの温度を確認すると75℃前後で冷却性能に問題なし。GPUクロックもブーストクロックを大きく上回る1,900MHz前後を維持することができていた。
また騒音値を確認するとアイドル時は34.9dBAで、耳を澄まさなければ風切り音はほとんど聞こえない状態。高負荷時は40.9dBAまで上昇しており、アイドル時から確実に風切り音が大きくなったことがわかる。とは言え、うるさく感じるほどではなく、机の下に収納したり、ヘッドセットをしてしまえば気になることはないだろう。
テストセッションのラストは消費電力を確認しておこう。
高負荷時でも最高319Wまでしか上がらず、最近のデスクトップPCとしては消費電力は控え目。電源容量も750Wと余裕があることから、ストレージの増設や将来的なCPU、グラフィックスカードのアップグレードも問題なく行うことができる。
これから配信環境を整えようという人にとって、それを満足にこなせる構成のマシンを用意することは、最初の大きなハードルになる。複数のヘビーな処理が要求されるだけに過度な妥協は禁物だし、無駄にスペックを積み上げてコストがかさんでしまうのも避けたいところ。そんな難しいニーズに対して、バランスの良い一発回答としてアークが用意したのが「arkhive CREATOR Limited CL-A7G37R」だ。
一見抽象的にも思える配信者・クリエイター向けのニーズを丁寧に汲み取りつつ、ミドル~ミドルハイ構成のパーツをうまく織り交ぜ、配信者特有の機材環境にも配慮したマシンが完成。検証でもクリエイティブ向けのタスクを問題なくこなせる結果をマーク、冷却周りを含めCPUの性能を十分に引き出せていた。グラフィックス面でもトレンドのゲームタイトルを快適に遊べる水準を楽々クリアしており、ゲームプレイと配信を同時にこなせるパフォーマンスを備えている。
そして配信者なら特に見逃せない、これ以上なく“映える”PCである点もトピック。ともすれば持て余しかねないド派手なマザーボードをうまく調和させ、完成度の高いミドルタワーPCに落とし込んだパーツチョイスは、さすが老舗ショップと言ったところ。長時間の配信に耐えるタフネスや十分な性能、機材を繋ぎやすい環境を備えている点だけでなく、欲しいアレコレが揃った“使いたいPC”に仕上げられている。
協力:株式会社アーク