エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1267
2023.03.20 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
AMD X670Eチップセットマザーボード中ではエントリークラスの製品になる「X670E Steel Legend」だが、電源回路は16(VCORE)+2(SOC)+1(VDD_MISC)フェーズにおよぶデジタル回路を搭載する。さらにローサイドMOSFET、ハイサイドMOSFET、ドライバICを1チップに統合し、温度センサー・電流センサーも内蔵した60A Smart Power Stage(SPS)や、ASRockおなじみの「ニチコン製12Kブラックコンデンサ」、低損失で信号劣化の少ないサーバーグレード8層PCB、フェライトコアチョークもまとめて冷却する大型のヒートシンクなど構成パーツにもこだわることで、ハイエンドCPUや、DDR5メモリ、PCI Express 5.0 M.2 SSDの性能を引き出すとともに、高負荷時の安定性を確保している。
16+2+1フェーズのデジタル電源回路を搭載し、Ryzen 7000シリーズのハイエンドモデルを組み合わせた場合でもその能力を十分に引き出すことができる |
MOSFETには、ローサイドMOSFET、ハイサイドMOSFET、ドライバICを1チップに統合した60A SPSを採用するため、フェーズ数の割にはスッキリとした印象。構成パーツ数をへらすことで、不良率を抑える効果も期待できる |
VRMコントローラには最大20フェーズまで対応するルネサス「RAA229628」を実装 | 補助電源コネクタは上位モデルと同等の8pin×2 |
リアインターフェイス部まで迫り出す大型のアルミニウムヒートシンク。60A SPSだけでなく、チョークコイルもまとめて冷却することができる |
「X670E Steel Legend」のチップセットは、Socket AM5向け最上位の「AMD X670E」だ。イマドキのチップセットでは珍しいデュアルチップ構成を採用し、PCI Expressのレーン数は最大44レーン、PCI Express 5.0レーンは最大24レーンに対応。これにより、グラフィックスカード、M.2 SSDともPCI Express 5.0に対応する。またCPUのオーバークロックやPCI Expressレーン分割、帯域幅20GbpsのUSB 3.2 Gen 2×2などをサポートする。
基板の右下に実装された1つ目のチップセットには、イルミネーション機能(LEDは基板上に実装)を備えた薄型ヒートシンクを搭載 |
基板中央の左側に実装された2つ目のチップセットには、フットプリントの小さい積層型のフィンを備えたヒートシンクを搭載 |
メモリスロットはデュアルチャネル対応のDDR5×4本で、サーバーグレードの8層PCBや、耐久性向上とノイズを抑える効果もあるメタル補強を施した「強化DIMMスロット」、信号の損失を抑える「表面実装技術(SMT)」により、最高6,600MHzを超える高速メモリをサポートする。またメモリプロファイルはRyzen 7000シリーズ向けのAMD EXPOに加え、第13/12世代Intel Coreプロセッサ向けのIntel XMP 3.0に対応し、幅広いオーバークロックメモリを利用することができる。
メタルカバーで保護された「強化DIMMスロット」仕様のDDR5スロット。CPUソケット側からDDR5_A1/A2/B1/B2の並びで、2枚で運用する場合にはシルク印刷にある通りDDR5_A2/B2を使用する |
UEFIにはDDR5-3200からDDR5-16000までのメモリクロック設定が用意されている |
AMD EXPOもサポートしているが、Intel XMP 3.0に対応したメモリを搭載したところ、しっかりとメモリプロファイルを読み込むことができた |