エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1269
2023.03.25 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
検証の先頭は、ストレステストの大定番である「OCCT」の最新バージョン「OCCT 11.0.21」をチョイスした。プリセットは、CPUとグラフィックスカードの両方に強力な負荷をかけ、フルロード時の動作を再現する「電源」を実行。30分間連続で動作させている。
なおテスト動作時の消費電力は最大699Wをマーク。容量1200Wの「RM1200x Shift」にとっては60%程度のやや強めな負荷がかかっていたことになる。
システムの主要パーツに用いられる+12Vの挙動を順番に見ていこう。主電源のATXは定格の12Vを基準した際の上振れは0.5%程度、下振れは0.3%程度に収まっていた。CPU補助電源はさらに変動が小規模で、上振れは0.2%未満、下振れも誤差の範囲と言っていいレベルだ。
グラフィックス用の12VHPWRも変動幅はほぼATXと同様で、上振れは0.5%程度、下振れも0.3%程度。ATX 3.0規格のデザインガイドでは+5%/-7%の変動が許容されていることを考慮すれば、ほとんどブレなく一定の電圧を維持できていることが分かる。
続いてはグラフィックス中心の負荷をかけた際の挙動を、3Dベンチマークテストの「3DMark」でチェックする。検証にあたっては、GeForce RTX 40シリーズの性能をフルに活かすことができるDirectX 12 Ultimate対応のストレステスト「Speed Way Stress Test」をチョイス。先ほどの「OCCT」と同様に、30分間に達するまでループで実行している。
ちなみにテスト時の消費電力は最大519Wで、これは今回の検証で最も低い値だった。負荷率は43%であり、「OCCT 11.0.21」はだいぶ余裕を残して動作していたことになる。
全体的な負荷が低くなったためか、電圧変動もやや大人しめな結果に収まった。ATXは常に定格以上で動作しており、上振れもわずか0.2%未満。CPU補助電源も定格値以上を維持しており、上振れは最大0.3%程度、さらにほとんどのシーンでまったく変動しないという安定性を見せてくれた。
グラフィックス用の12VHPWRは、この中ではまだしも変動が大きい方だが、上振れは0.3%程度、下振れはさらに小さい0.2%未満に収まっている。グラフィックスの最新技術を用いた負荷でもブレずに動作している点は実に頼もしい。