エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1272
2023.04.02 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:pepe
合計6箇所のネジを取り外し、内部構造にアクセスする。MSI自慢のハイエンド電源はどのような構造になっているだろうか |
続いて「MEG Ai1300P PCIE5」の隠された内部構造をチェックしていく。内部はハーフブリッジLLC回路とDC-DCコンバータを組み合わせた堅実な設計が用いられており、コンデンサは一次側と二次側ともに日本メーカー製の105℃品を100%採用。主要な熱源には通常比2倍というビッグサイズのヒートシンクが備え付けられ、ファンレス状態でも安定した動作が期待できそうだ。
また、MSI初の静音ファンとしてリリースされた高級モデルの「MEG SILENT GALE P12」を冷却機構として採用。高い耐熱性と耐熱膨張性を備えた液晶ポリマー(LCP)素材のファンブレードにより、フレーム間の距離を詰めてエアフロー損失を抑えている。冷却周りの優秀さは「MEG Ai1300P PCIE5」の重要なトピックだろう。
奥行き160mmの筐体内には、高耐久コンポーネントの数々が省略なく詰め込まれている。熱源になりそうな部材が画像下側に寄っているのは、冷却ファンのマウント位置に合わせてのようだ |
突入電流や高周波ノイズを防ぐEMC/EMIフィルターを備えた入力部。交流電源の入り口にあたる | 交流を直流に変換する一次側整流回路。発熱の大きなブリッジダイオードはヒートシンクに直接固定されている |
力率を改善するアクティブPFC回路のコイル |
一次側平滑回路には、耐圧400V/105℃対応のニチコン製コンデンサが実装されていた |
PFC回路やスイッチング回路のMOSFETが取り付けられている大型ヒートシンク。複雑な形状で放熱面積を稼ぐ設計で、サイズは一般的な電源ユニットの2倍に相当するとされる |
LLC回路に実装されているコイル | 入力電圧を実際に使う電圧値に近い電圧に変換しているメイントランス |
二次側の整流回路から平滑回路にかけてのエリア。一次側と同様に105℃対応のコンデンサが実装されているほか、応答性能の高い固体コンデンサも採用されている |
12Vから5Vおよび3.3Vを生成するDC-DC変換基板。ACからすべての電圧を変換する場合よりも、より高効率な動作を可能にしている |
スタンバイ用の5VSB回路に実装されているサブトランスと制御基板 |
ファンやモニタリング関連のMCUが実装されているドーターボード | メイントランス付近には、各種保護回路用の基板も搭載されていた |
トップカバーにマウントされている、Hydro-Dynamicベアリング採用の120mm静音ファン「MEG SILENT GALE P12」。液晶ポリマー素材のファンブレードにより、エアフロー損失が抑えられている |